大将 (中国人民解放軍)

大将（たいしょう）

大将は、中国人民解放軍における重要な階級であり、1955年から1965年の間に国共内戦や日中戦争に貢献した軍事指導者に授与されるものでした。階級章は四つ星で、ソビエト連邦の上級大将に相当します。

階級制度の成立

1955年2月8日、全国人民代表大会常務委員会の会議において、「中国人民解放軍将校服務条例」が可決され、解放軍に正式な階級制度が導入されました。同年9月27日には、国務院の主催により授与式が行われ、周恩来国務院総理から10名の軍人に大将の階級が授与されました。しかし、文化大革命の直前である1965年5月22日には、毛沢東の軍事方針に基づき階級制度が廃止されることとなります。

階級の復活

1988年7月1日、全国人民代表大会で新たに「中国人民解放軍将校階級条例」が可決され、10月1日から再び階級制度が施行されました。ただし、大将の階級はこの新制度においては復活されなかったため、戦時における特別な階級とされ、旧号に対する格別な考慮がなされたことが理由とされています。

また、旧制度の中では、一度授与された軍の階級が終身の称号であるという規定が存在していたため、1955年から1965年の間に授与された大将の地位は再確認され、この対応は退職した軍人の不満を和らげるための措置であったと言われています。

十大大将

1955年の階級授与式で、以下の10名の軍人が同時に大将として任命されました。彼らは「十大大将」と呼ばれ、全員が一級八一勲章、一級独立自由勲章、一級解放勲章を受勲しています。

• - 粟裕
• - 徐海東
• - 黄克誠
• - 陳賡
• - 譚政
• - 蕭勁光（海軍大将）
• - 張雲逸
• - 羅瑞卿（以前は公安軍大将で、1957年以降は普通の大将に）
• - 王樹声
• - 許光達（装甲兵大将）

この中で、人民解放軍の歴史において空軍大将は存在しません。

一級上将の階級

1988年の階級制度復活に際して、大将の階級とはデザインが異なるものの、4つ星の階級を持つ一級上将が設けられました。この新しい階級は、「中央軍事委員会の主要な指導的同志」に授与されるものであるとされました。しかし、当時の鄧小平主席や副主席の趙紫陽、楊尚昆は授与を辞退し、結果として一級上将は1994年に廃止されました。

結論

大将という階級は、中国人民解放軍おける歴史的な重要性を持ち、制度としての変遷がその背景にあります。特に、戦時の軍事的な貢献が評価され、退職した軍人に対しても配慮がなされてきたことが見受けられます。

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