大小磨刀

大小磨刀（だいしょうまとう）は、香港の龍鼓水道に浮かぶ島々のグループで、大磨刀（だいまとう）、小磨刀（しょうまとう）、匙羹洲（しかんす）の3つの小島から構成されています。かつては、大小磨刀洲、磨刀洲とも呼ばれていました。

歴史

大磨刀洲には、1952年から1971年にかけてグラファイトを採掘する「五福礦場」がありました。1964年には、採掘は海面下90mにまで達していました。一方、小磨刀洲には、航空管制施設である超短波全方向式無線標識（VOR）と距離測定装置（DME）が設置されています。

1990年代、香港の赤鱲角に香港国際空港が建設される際、大小磨刀は航空機の離着陸の障害となるため、平坦に削られました。その際に発生した土砂は、空港用地の埋め立てに利用されました。削られる前、大磨刀は標高68m、小磨刀は標高63mありましたが、現在は平坦になっています。

現在、大小磨刀は無人島であり、公共のヘリコプター発着所、小規模な気象観測施設、そして航空管制関係の施設が設置されているのみです。

2007年3月、香港政府は海洋散骨のための海域として、大小磨刀の東側を含む4箇所を「海葬区」に指定しました。しかし、事前に知らされていなかった地元議会からの反対を受け、大小磨刀周辺での海洋散骨は一旦中止されました。

2016年12月30日、この一帯は海岸公園に指定され、大小磨刀海岸公園となりました。この海域は、シナウスイロイルカ（中華白海豚）の生息地として知られています。

主な海難事故

大小磨刀周辺では、過去にいくつかの海難事故が発生しています。

1908年7月27日：香港台風により、イギリス船「英京号」が沈没し、421人が死亡、42人が生存しました。
1944年12月24日：嶺南丸事件が発生し、349人が死亡、23人が生存しました。
* 2008年3月22日：龍鼓水道で衝突事故が発生し、18人が死亡、7人が生存しました。

大小磨刀は、その歴史と自然環境において、香港にとって重要な場所の一つです。

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