大山功

大山 功（おおやま いさお）について

大山功は、日本の演劇評論においてその名を広く知られる存在であり、1930年代から90年代にかけて多くの作品や評論を残しました。彼の生涯は、岡山で始まり、演劇に対する深い愛情と情熱に満ちたものでした。

来歴

1904年8月5日、岡山に生まれた大山は、1932年に早稲田大学文学部演劇学科を卒業しました。卒業後は『藝術殿』や『東宝』、さらには『日本演劇』や『演劇界』といった様々な雑誌で編集の仕事をしながら、演劇評論活動を始めました。その中で彼の鋭い視点と独自の見解は、多くの読者に影響を与えることとなります。

1945年には戦災を避けるために山形県へ疎開し、そこでの文筆活動を続けました。彼のキャリアの中で特筆すべきは、1974年に発表した『近代日本戯曲史』が第6回河竹賞を受賞したことです。この作品は日本の演劇史を深く掘り下げたものであり、今なお多くの研究者に参照されています。

著書

大山功は多くの著作を残しており、その中で彼の演劇観や批評が色濃く反映されています。代表的な著作には以下のものがあります。

• - 国民演劇論 (新正堂, 1943年)：演劇が国民に与える影響について論じた作品。
• - 現代新劇論 (南方書院, 1943年)：新しい演劇スタイルやその意義についての考察。
• - 新劇四十年 (三杏書院, 1944年)：戦後の日本における演劇の変遷を述べる。
• - 近代日本戯曲史 (全4巻, 近代日本戯曲史刊行会, 1968-1973年)：近代の戯曲作品についての包括的な研究。
• - 黒森歌舞伎 (高陽堂書店, 1977年)：伝統的な歌舞伎の解説。
• - 真山青果 人と作品 (木耳社, 1978年)：著名な戯曲家についての研究。
• - 青果劇のこころ (木耳社, 1989年)：青果劇の特性について考察する。

翻訳作品

大山は翻訳家としても活動しており、特に以下の作品が有名です。

• - フランチャイズ事件 (ジョセフィン・テイ, 1954年)：早川書房から出版されたこの翻訳は、彼の幅広い知識を示しています。
• - 吠える犬 (E・S・ガードナー, 1955年)：世界探偵小説全集の一部として、推理小説の翻訳に寄与しました。

まとめ

大山功は、日本の演劇の発展において欠かせない存在です。彼の評論や著作は、今日に至るまで演劇の世界に大きな影響を与えています。彼の業績は日本の文化遺産の一部として永遠に残るでしょう。90歳を超える生涯の中で、多くの後進に道を示した大山の足跡は、今なお多くの劇作家や評論家に引き継がれています。

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