大山阿夫利神社

大山阿夫利神社の紹介

大山阿夫利神社（おおやまあふりじんじゃ）は、神奈川県伊勢原市にある大山、別名「雨降山」に位置する神社です。この神社は、927年の『延喜式神名帳』に記載されている延喜式内社の一つであり、旧社格では県社に列格されています。大山の中腹には下社があり、そこまでのアクセスは大山ケーブルカーを利用できます。この神社は、主祭神である大山祇大神をはじめ、さまざまな神々が祀られており、観光スポットとしての魅力も持っています。

祭神について

本社には主祭神の大山祇大神がおられ、摂社には奥社の大雷神と前社の高龗神が祀られています。この神社の祭神の構成は、愛媛県の大山祇神社と共通していますが、これらの神々は明治時代に神仏分離に伴い祀られるようになりました。江戸時代以前は、本社には石尊大権現が祭られており、奥社には大天狗、前社には小天狗が祀られていました。神仏習合の時代を経て、現在の祭神が確立されたことが窺えます。

歴史の流れ

大山は古くから信仰の対象でした。縄文時代の祭祀に用いられた土器が山頂から発見されており、雲や霧が多くする大山は「雨降り山」とも呼ばれ、雨乞いの対象でもありました。また、巨石を神体とする信仰や、山の滝を崇める信仰も見られます。社伝によれば、神社は崇神天皇の時代に創建されたと伝えられています。

752年には、良弁により雨降山大山寺が建立され、不動明王が本尊として祀られました。この後も神仏習合が続き、中世以降は大山寺を中心とした修験道が流行しました。武家の崇敬を受け、江戸時代には多くの人々が大山を訪れるようになりました。特に6月27日から7月17日までの期間に行われる女人禁制の参詣は、鳶や職人の間で人気でした。

文化と風習

大山に参詣する者は、良辯滝と大瀧で水垢離し、山頂の石尊大権現に登ります。そして持参した木太刀を神前に納め、再度授けられた木太刀を護符として持ち帰ります。また、大山祇大神は富士山に祀られる木花咲耶姫の父とされ、「富士に登らば大山に登るべし、大山に登らば富士に登るべし」と記されています。この言葉からも、両詣りが盛行していたことが分かります。

明治時代に神仏分離令が出されると、大山寺は廃止され、これを機に「阿夫利神社」という名前が復活しました。その後、大山寺は女坂付近へと移転し再建され、現在に至るまでその姿を保っています。戦後は神社本庁の傘下に入りますが、長い間独立した運営を続けていました。

祭事と行事

大山阿夫利神社では、さまざまな祭事が行われています。筒粥神事では天候を占い、引目祭では厄を祓います。また、山開きや火祭薪能、大山能、巫女舞、倭舞なども行われ、神社を訪れる人々にとって特別な体験となっています。

アクセス情報

大山阿夫利神社下社へのアクセスは、公共交通機関を利用することが可能です。伊勢原駅からは神奈川中央交通バスで「大山ケーブル」行きに乗り、終点で下車します。バス停からは徒歩で約15分、大山ケーブルカーを経由して神社までアクセスできます。また、車での訪問も可能で、駐車場も完備されています。

このように、大山阿夫利神社は歴史と信仰の深い山合いの社であり、多くの人々に愛され続けています。訪れることで、古の信仰や自然の神秘に触れることができるでしょう。

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