大島久見

大島 久見（おおしま ひさみ）について

大島久見は1915年1月23日に生まれ、2004年2月3日に逝去した日本のシテ方喜多流の能楽師です。彼は日本能楽会理事を務め、国の重要無形文化財である能楽の保持者としても評価されています。

来歴

大島久見は広島県に生まれ、家族の影響を受けて育ちました。彼の父親は喜多流の職分を担っていた大島寿太郎であり、こうした背景から彼は自然と能楽の世界に入っていきました。1932年に福山誠之館中学校を卒業後、彼は家元内弟子として能楽の巨匠である喜多六平太（14世）と喜多実（15世）の指導を受けることになります。この師弟関係は、彼のその後の能楽師としての活動に多大な影響を与えました。

大島は1958年以降、広島県福山市で定期的な能楽の鑑賞会を主宰し、地域における能楽の普及と振興に尽力しました。年に4回開催される定例能会は、多くの人々に喜ばれ、能楽の魅力を伝える重要な場となりました。能楽堂の完成も彼の活動の一環で、1971年に3階建の喜多流能楽堂（今の喜多流大島能楽堂）が完成しました。

また、彼は1982年に広島文化賞を受賞し、常に文化活動に貢献してきたことが評価されました。そして2004年に90歳で亡くなるまで、彼の人柄と才能は多くの人々に愛され続けました。彼の没後、お世話になった地域社会に対する感謝の意を表す形で、2016年には福山市市制100周年記念式典において特別栄誉賞が追贈されました。

大島久見には、彼の後を継ぐ嗣子の大島政允がいます。また、孫の大島輝久と大島衣恵も彼の伝統を受け継いでいます。

まとめ

大島久見の生涯は、日本の能楽の発展に多大な貢献をした存在として記憶されています。彼の努力と情熱は、喜多流の未来に引き継がれ、現在においても多くの人々に影響を与え続けています。彼の業績は能楽の世界にとどまらず、地域文化の発展にも寄与し、多くの人に愛される伝統芸能の盛況を支えました。彼の理念と情熱は、今もなお能楽を愛する者たちに受け継がれています。

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