大島政允

大島 政允（おおしま まさのぶ）

大島政允氏は、1942年6月2日に広島県で生まれた能楽師で、シテ方喜多流に属します。彼は日本能楽会の会員であり、国の重要無形文化財である能楽の保持者としても認定されています。現在は広島県福山市に居住しており、地域に根ざした能楽の普及に努めています。

大島氏は、叔父である大島久見の養子となり、1958年に喜多宗家に入門しました。彼は十五世喜多実のもとで能楽の技を磨き、「道成寺」や「安宅」、「石橋」、「望月」といった作品を披露してきました。これらの演目は、彼の技量と才能がいかに高いかを示しています。

彼の拠点である「喜多流大島能楽堂」では、年に4回、解説付きの定期能公演を開催しています。地元の能楽普及啓蒙活動にも尽力し、喜多流能の会、福山喜多会、広島大島会を主宰しており、地域の文化を深める重要な役割を果たしています。

また、大島氏は国内外での演能活動にも積極的で、日本国内だけではなく、ヨーロッパやアジア諸国への海外公演も行い、能楽の魅力を広めています。彼の長男は大島輝久氏、長女は大島衣恵氏であり、家族ぐるみで能楽に携わっています。

大島氏は、NHK大河ドラマ『葵 徳川三代』にも地謡の演者として出演しており、その演技力は多くの人々に認められています。2013年には喜多流大島能楽堂が観世寿夫記念法政大学催花賞を受賞し、その功績が評価されました。さらに、2016年には新作能「福山」を初演し、能楽の新しい可能性を探る姿勢を見せています。

人前で話すことが苦手な大島氏ですが、能楽公演の前後に解説や対談を行うことはほとんどなく、その分、彼の舞台でのパフォーマンスに専念しています。彼の生涯を通じて能楽にかける情熱は尽きることがなく、今後もその活動が期待されています。

関連項目

• - 備後福山藩
• - 沼名前神社能舞台

外部リンク

• - 能 喜多流 大島家

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