大平山送信所

大平山送信所の概要

大平山送信所（おおひらやまそうしんしょ）は、山口県防府市にそびえる大平山の頂上に位置し、テレビとFMラジオの放送を行う重要な施設です。標高は631メートルで、東京スカイツリー（634m）や生駒山（642m）と近い高さを誇り、そのため広範囲にわたる電波の送信が可能です。

この送信所は、山口県内のテレビおよびFM放送の全ての親局となっており、特に山口放送のFM補完放送もここから発信されています。また、過去にはジャパン・モバイルキャスティングによるマルチメディア放送の中継局も設置されていましたが、2016年にサービスが終了しています。

放送区域と歴史

大平山送信所の電波は、山口県防府市の全域や、宇部市、山口市、下松市、光市、周南市の一部に及び、約22万8979世帯が受信可能です。1959年にNHK山口放送局がテレビジョン放送を開始したのがこの送信所の歴史の始まりです。その後、KRYやtys、yabなどの放送局も次々に開局し、デジタル化も進みました。

特筆すべきは、2006年に地上デジタルテレビ放送が始まった際、試験放送が行われたことです。試験電波の発射は2006年1月から始まり、その後出力の増力を経て、10月には本放送が開始されました。これにより、地元の視聴者へのサービスが大幅に向上しました。

放送事故の記録

送信所では過去に放送事故も発生しており、2010年のyab山口朝日放送のアナログ放送が数時間停波したことがあります。この停波の影響で、山口県内全域で視聴できなくなり、視聴者から多くの苦情が寄せられました。このような事故を経て、放送局はより信頼性の高い運用を目指して技術の改善に努めています。

施設の詳細

送信所自体は、各社の個別鉄塔で構成されており、NHKの塔は山頂に近く、KRY、tys、そしてyabと高さが順に低くなっています。大平山の位置は、電波が海を越えやすい環境にあり、そのため送信波の指向性を調整することで、他地域との干渉を防ぐ工夫がされています。

NHK山口放送局は、アナログとデジタルの両方のテレビ放送とFMラジオ放送を担い、鉄塔は二つの異なるアンテナを設置しています。これに対し、KRYやtysもそれぞれのニーズに応じた送信設備を整えています。特にyabは、最も西側に位置し、他社と座標を一致させるために高い鉄塔が建設されています。

県域放送における重要な役割

大平山送信所は、山口県における情報の発信拠点としての役割を果たしています。地域に密着したニュースや番組を届けることで、県民の生活に欠かせない存在となっているのです。今後もこの送信所が地域の多様なニーズに応え、信頼される情報源であり続けることが求められます。

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