大庭雅

大庭 雅

日本のフィギュアスケート選手、大庭 雅（おおば みやび）は、1995年8月8日に愛知県瀬戸市で誕生しました。中京大学附属中京高等学校、そして中京大学スポーツ科学部を経て、卒業後も競技活動を継続しています。現在は東海東京フィナンシャル・ホールディングスに社員として所属しており、同社および東海東京証券からの支援を受けています。

経歴

大庭選手がフィギュアスケートを始めたのは10歳の時と、他の多くの選手に比べて比較的遅いスタートでした。しかし、4歳から10歳まで器械体操に取り組んでいた経験が、その後のフィギュアスケートにおける身体能力やバランス感覚に活かされたと考えられます。

キャリアの初期段階となる2009-10シーズンに、全日本ジュニア選手権へ初めて出場し9位の成績を収めます。翌2010-11シーズンには、ニース杯で7位に入り、全日本ジュニア選手権では3位と初の表彰台に上る活躍を見せました。同シーズンの全日本選手権にも初出場で8位と健闘し、国際舞台となる翌年の世界ジュニア選手権では8位入賞を果たしました。

2011-12シーズンからは、国際スケート連盟（ISU）主催のジュニアグランプリシリーズに挑戦を開始。JGPボルボ杯で7位となります。全日本ジュニア選手権では5位、全日本選手権では13位となりました。続く2012-13シーズンには、JGPボスポラスで4位、JGP B.シュベルター杯では2位に入賞し、ISU公式大会で初めて表彰台に立つという大きな成果を得ました。このシーズンは、全日本ジュニア選手権で6位、全日本選手権で11位となり、シーズンを締めくくるトリグラフトロフィーでも2位入賞を果たしています。

2013-14シーズンもジュニアグランプリシリーズに出場し、JGPバルティック杯で4位、JGPタリン杯で3位と連続して上位に入ります。全日本選手権では10位となり、シーズン後半のガルデナスプリング杯では2位入賞を飾りました。

2014-15シーズンにはシニアクラスの国際大会に本格的に参戦。初戦のニース杯で2位入賞を果たした後、ISUグランプリシリーズであるGPロステレコム杯に初出場し6位の成績を残しました。全日本選手権では12位となり、冬季ユニバーシアード競技大会にも日本代表として出場し7位に入賞しています。

その後も大庭選手は全日本選手権への挑戦を続け、2015-16シーズンは17位、2016-17シーズンは13位となりました。しばらく全日本選手権への出場がないシーズンもありましたが、2018-19シーズンに復帰し19位。この時点で全日本選手権には8回目の出場となりました。キャリア終盤となる2019-20シーズンの第88回全日本選手権では、ショートプログラムでのミスが響き28位となり、惜しくもフリー進出は叶いませんでした。

技術・演技

大庭選手は、アクセルを除く5種類のトリプルジャンプを跳ぶ技術を持っています。特に、サルコウやループといったエッジ系ジャンプを得意としており、助走をあまり長く取らずとも、スムーズにジャンプへと移行できる点を強みとしています。コンビネーションジャンプにおいては、セカンドジャンプとしてトリプルトウループとトリプルループの両方を実施できるなど、難度の高い構成も可能です。また、トリプルアクセルについても練習では成功させており、試合での組み込みにも挑戦した経験があります。2013年の全日本選手権フリースケーティングではトリプルアクセルに挑みましたが、回転不足により転倒となりました。

試合で披露される主なコンビネーションジャンプには、トリプルサルコウ＋トリプルトウループや、ダブルアクセル＋トリプルループなどがあります。

その滑らかな演技については、2011年の全日本選手権の際に、解説の八木沼純子氏から「助走からすぐにジャンプに入れる選手なので、スケーティングの合間にジャンプが入ってくる感じで、繋ぎが乱れず、止まることなく、最後までスムースな流れの中でジャンプを跳んでいる」と評されるなど、プログラム全体を通して流れるようなスケーティングの中にジャンプが自然に組み込まれている点が特徴的でした。

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