大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス

大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス

1967年3月15日に公開された「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」は、特撮映画の金字塔として名高い作品の一つです。大映が製作した本作は昭和ガメラシリーズの第3作目にあたり、92分の上映時間で構成されています。この映画は、子どもから大人まで楽しめる要素が満載で、特に特撮シーンに力が入れられています。

あらすじ

物語は、富士火山帯に位置する明神礁・三宅島雄山の噴火から始まります。噴火の熱に引き寄せられたガメラが登場し、炎を食べる行動が描かれます。この混乱の中、記者たちが集まったヘリコプターが取材に出発しますが、二子山上空で突如、怪光線によって墜落してしまいます。

物語の舞台となる二子山では、金丸村長が「反対同盟」を結成し、道路工事の賠償金を巡る対立が見られます。その中で、村長の孫・英一は、記者の岡部に誘われて不気味な洞窟に足を踏み入れます。すると、地震が発生し、彼はギャオスに捕まってしまいます。

この怪光現象が、富士火山帯の異常によって目覚めたギャオスの巣穴から放たれたものであることが判明します。英一がギャオスに捕まる寸前に、ガメラが現れますが、ギャオスの超音波メスによって大きなダメージを負ってしまいます。英一を救出したガメラは、彼を遊園地に下ろし、海底で傷を癒します。

英一の証言によってギャオスの存在が正式に認識され、防衛隊による攻撃が展開されますが、ギャオスの圧倒的な力の前に次々と壊滅してしまいます。英一の言葉からギャオスが夜行性であることが分かり、照明弾「AGIL」が使われることになります。しかし、村はギャオスに襲われ、被害が広がっていきます。

ギャオスは名古屋市に侵入し、名古屋城を破壊し、新幹線の乗客を襲います。それに対抗するため、中日球場が避難所として利用される中、傷を癒やしたガメラが再び現れます。名古屋の上空で、激しい空中戦が始まります。ギャオスの攻撃に苦しむガメラですが、ギャオスの脚を掴み、海へ引きずり込むことに成功します。

ギャオスの性質

その後、ギャオスの脚は紫外線に弱いことが分かり、昼間は弱点を突かれることから、村人たちはタッグを組んでガメラを呼び寄せることを決意します。英一は、ガメラの甲羅に乗る夢を抱きながら、最後の決戦が繰り広げられます。ガメラはついにギャオスと対決し、火口に引きずり込むという壮絶なエンディングへとたどり着きます。

制作背景と特色

本作品の制作当時、大映は子供向けに特化した娯楽映画に路線を変更。「ガメラは子供の友」というキャラクターが確立され、観客に感情移入させる描写がなされました。特に、怪獣同士の戦闘描写では、ガメラとギャオスという二体の怪獣の特徴的な異なる能力の対比が、緊張感を持って描かれました。

監督の湯浅憲明は、特撮シーンでエキスプロダクションに協力を仰ぎ、迫力満点の戦闘を実現しました。特に、ガメラの飛行シーンや空中戦の演出には相当な工夫が凝らされました。

観客は、ギャオスに捕まったり、ガメラに乗ったりすることで、子供たちの夢や冒険心を掻き立てられ、最後には笑顔でエンディングを迎えることができます。

最後に

「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」は、特撮映画としての魅力を兼ね備えた作品です。純粋な子供の目を通して描かれたストーリーは、今なお観る者の心を捉えます。ガメラの勇気と優しさ、そしてギャオスの怪しさが交錯するこの映画は、特撮ファンのみならず、幅広い世代に愛されています。

もう一度検索