大日本航空

大日本航空株式会社の歴史と運航

はじめに

大日本航空株式会社（だいにっぽんこうくう、英: Japan Airways Co.Ltd）は、1938年に設立された国営の航空会社です。1945年に第二次世界大戦の終結に伴い解散するまで、日本国内外の航空輸送に大きな影響を与えてきました。ここではその沿革と運航について詳しく見ていきます。

沿革

創設

大日本航空の前身は、1929年に設立された日本航空輸送株式会社です。この会社は、日本の主要都市間や中国大陸の航空路線を運航し、当時の北東アジアにおける航空網の中心的存在でした。しかし、1937年の日中戦争の勃発により、航空輸送業は戦時体制に再編されていきます。

日本航空輸送株式会社は、1938年11月7日の臨時株主総会で解散と新たな航空会社への合流を決議し、国際航空との合併によって大日本航空株式会社が設立されました。このとき、国内の他の航空会社も航空輸送業を終了し、営業は大日本航空に独占されることとなりました。航空史においては、創立総会が1938年11月28日に開かれ、同年12月1日から営業が開始されました。

設立当初の資本金は2,550万円であり、会社の組織は総務、営業、経理など多岐にわたりました。1939年には、国際航空輸送事業を大日本航空に独占させる法案が閣議で決定され、政府からの出資により資本金は1億円に増資されました。

終焉

1945年8月、日本は連合国によるポツダム宣言を受諾し、続く敗戦によって日本軍は武装解除されます。それに伴い、民間航空業務も禁止され、大日本航空も解散対象となります。1945年10月には、軍用機と共に航空活動が停止され、11月にはGHQによって民間航空が全面禁止される指令が出されました。

この解散により、1951年になるまで日本の空を航行する航空機はありませんでした。その後、日本航空が1951年に設立され、戦後の航空業界に復活の兆しが見え始めます。

運航と機材

使用機材

大日本航空は、初代運航機として旧式機材を使用しており、フォッカー・スーパーユニバーサルやエアスピード・エンボイなどがありました。また、中島 AT-2や三菱 MC-20、ダグラス DC-3などの新しい機材も加わり、旅客運送が行われました。貨物輸送のためには、九七式重爆撃機の民間転用型も利用されていました。

路線網

大日本航空は前身の日本航空輸送から多くの路線を引き継ぎました。国内の路線としては、東京と仙台、札幌、大阪、福岡などを結び、国際線では台湾やバンコク、上海を含む重要な航路が設定されていました。

1939年には新規路線の運航が始まり、特に東京とバンコクを結ぶ路線は注目されました。この路線は日本政府とタイ王国の間で結ばれた航空協定に基づき開設されたもので、定期便として運航されました。

また、ポルトガル領ティモールへの路線計画も立案されましたが、こちらは太平洋戦争の開始とともに運休となりました。

結論

大日本航空株式会社は、短い歴史ながらも日本の民間航空に大きな影響を与えた業者でした。戦後の航空業界の基盤を築く一方で、当時の国際情勢への影響を受けながらその運航と衰退を経験したことは、航空業界の発展において重要な出来事でした。

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