大日本茶道学会

大日本茶道学会について

大日本茶道学会（だいにほんちゃどうがっかい）は、明治時代に創立された茶道の重要な流派の一つである。運営の中心は財団法人三徳庵で、東京都新宿区左門町に位置している。この学会は「秘伝開放」と「茶道本来無流儀」を理念に掲げ、現代の茶道の復興を目指している。

歴史

この学会は1898年に裏千家の13代である圓能斎の弟子、田中仙樵によって設立の提唱がなされ、初代会長として鳥尾小弥太が迎えられた。創立は京都の高台寺にて行われ、当初は封建時代に引きずられた茶道の流儀を克服することを目的としていた。明治維新以降、社会が大きく変わる中で、茶道はその伝統に従い多くの制約を受けていたが、それに対抗する形でこの会が誕生した。しかし、設立からたった3年後の1901年には解散が決定し、その後田中仙樵は石州流清水派に入門し、研究を続けることとなる。その後、鳥尾小弥太の妻である鳥尾泰子が1910年に会長を引き継ぎ、東京市浅草区で再興される運びとなった。

本部は何度か移転を繰り返し、1930年には田中仙樵が第3代会長に就任、その後1938年には現在の場所へと定住した。このような変遷を経て、学会は落ち着きを見せ、その後も活動を続けている。

特徴

大日本茶道学会は茶道の理論と精神を重視し、学問的なアプローチを奨励する場である。そのため、組織として「会」と呼ばれ、家元ではなく会長という名称が使用されている。この体制により、さまざまな流派の茶人との交流が促進されており、それぞれの流派の優れた点を学び合うことで、茶道全体の発展に寄与する役割を果たしている。この姿勢から、「流儀に捕われない」という独特な文化が育まれている。

顕彰

大日本茶道学会は、茶道文化を広めるための顕彰制度も有しており、その一環として「茶道文化学術賞」と「茶道文化学術奨励賞」が設けられている。両賞は、前年に発表された茶道文化に関する研究書や論文を対象としており、茶道の研究に顕著な貢献をした著作に対して授与されるものである。特に、茶道文化学術賞は、多大な影響を与えた研究成果に対し授与されるのに対し、茶道文化学術奨励賞は今後の研究に期待が寄せられる作品に贈られるものである。

会長一覧

同学会の歴代会長は、茶道の発展に寄与し、それぞれが持つ知識と技術を継承してきた。会長のジャンルや専門性に応じたリーダーシップが発揮され、茶道界に継続的な改革と刺激がもたらされている。これにより、多様な視点からの研究が進められている。

脚注・文献

大日本茶道学会に関する情報は、さまざまな文献から得られている。田中仙翁の『日本の茶家』や田中仙樵の『茶道改良論』などがあり、また宮帯出版社による編集資料も重要な情報源として機能している。さらに茶道家元系譜に関する研究も、新しい知識の確立と伝承に寄与している。

このように、大日本茶道学会は茶道の自由な研究と交流を創出することで、伝統文化の継承と発展に寄与し続けている。

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