鳥尾小弥太

鳥尾 小弥太

鳥尾小弥太（とりおこやた、1848年1月10日 - 1905年4月13日）は、明治時代の日本の陸軍軍人であり政治家です。彼は陸軍中将の地位を持ち、正二位勲一等の称号を得た子爵として知られています。彼の本名は照光であり、後に敬高（孝）と改名しました。鳥尾はまた、幼名の一之助や通称の百太郎、鳳輔などでも知られています。

経歴

彼は1848年に長州藩士の家庭に生まれました。安政5年に家族と共に江戸に移り、江川英龍から砲術を学びました。1860年に帰藩し、家督を相続した後、文久3年に奇兵隊に加わり、倒幕運動に従事しました。戊辰戦争では建武隊の参謀として活躍し、鳥尾隊を設立して鳥羽・伏見の戦いを始めとする各地で戦いました。戦後は和歌山藩にて軍制改革に取り組みました。


維新後は陸軍に仕官し、少将から中将へと昇進しました。西南戦争では後方支援の重要な役割を果たし、様々な要職を歴任しました。1880年には病気を理由にすべての職を辞しましたが、自らの理想として『王法論』を著し、君権と民権の調和を求めました。


しかし、陸軍内においては山縣有朋や大山巌らと政治的立場の違いから対立し、次第に反主流派を形成しました。1881年の開拓使官有物払下げ事件では、反主流派の指導者として建白書を提出し、憲法の制定を求めました。この結果、彼は陸軍から追放され、統計院長に左遷されました。その後も月曜会に参加し、山縣らと再び対立しましたが、再度陸軍の重要なポストには就くことはありませんでした。


1884年には維新の功により子爵の爵位を得ました。1888年、欧州帰国後に東洋哲学会を設立し、翌年には国教確立を唱え、国粋主義の興隆に尽力しました。1898年には大日本茶道学会の初代会長に就任し、教育改革にも力を注ぎました。## 晩年

晩年にはすべての職を辞し、仏教に帰依して参禅生活を送りました。そして、1905年に静岡県熱海にて肺疾患により58歳で亡くなりました。彼の墓所は兵庫県加古川市の光念寺にあり、父のゆかりによりその地に埋葬されています。

政治姿勢

貴族院の一員として、鳥尾は藩閥政府に対する抵抗の姿勢を貫いていました。自由党や立憲改進党を批判し、政府の西欧化政策を批判しました。彼の政治理念は儒教に根ざし、保守中正を掲げて機関誌『保守新論』を発行しました。

エピソードと影響

幕末の奇兵隊時代には、変名として「鳥尾小弥太」と名乗ったエピソードや、東京都文京区にある鳥尾坂を開いた経緯など、興味深い逸話が多くあります。また、教育者として下田歌子に禅を教えたり、旧幕臣の中根香亭との親交もあったとされます。

著書

彼の著作は政治や思想の範囲にわたります。特に『王法論』や『統一学』は、彼の思想を理解する上で重要です。多くの著書が残されており、今日でも彼の影響は見ることができます。


このように、鳥尾小弥太は日本の近代史において重要な役割を果たした人物であり、彼の影響力は今もなお語り継がれています。

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