大明宮

大明宮の歴史と遺跡

大明宮（たいめいきゅう）は唐の都、長安の北東に位置する宮殿跡で、今日の陝西省西安市にあたります。この宮殿は634年に唐の太宗によって 建設が始まり、高宗により663年に本格的な増築が行われました。それ以来、904年までの240年間にわたり、17人の皇帝がここで政務を執りました。大明宮は太極宮、興慶宮と共に「長安の三大内」と称され、唐王朝の政治の中心地として知られています。

大明宮の構成と主な施設

敷地は南北に2256メートル、東西に1674メートルの広さを持ち、総面積は約3.2平方キロメートルです。周囲は城壁で囲まれており、地形の制約により北東部分が欠けています。敷地の中心には正殿である含元殿が位置し、その南には宣政殿、紫宸殿があります。これらの殿は三大殿と呼ばれ、国家の重要な儀式が執り行われました。

主な施設

• - 丹鳳門: 大明宮の正門として位置し、壮大な門楼が特徴です。この門では皇家の行事が行われました。

• - 含元殿: 国家の重要な儀式が行われた第一正殿であり、852年の元旦には日本の遣唐大使と新羅の使節の席次争いがここで起こったことで有名です。

• - 宣政殿: 皇帝が文武百官に謁見するために使われた第二正殿で、様々な官庁と接続しています。

• - 紫宸殿: 皇帝の私的な空間であり、内朝の議事処となっていました。

• - 太液池: 美しい池で、中央に蓬莱島があります。ここでは多くの水庭と庭園があり、豪華な装飾が施されたことが確認されています。

• - 麟徳殿: 皇帝の迎賓館として機能し、広大な面積を誇る施設でした。

• - 三清殿: 道教の寺院として、皇帝が招いた道士と仏教の僧侶が問答を競った場所でもあります。

歴史的背景

大明宮の建設は、629年に太宗が高祖のために命じたことがきっかけです。634年に建設が始まった後、663年に高宗が大明宮へ移住し、ここに政務を移しました。この宮殿は唐の政治中枢として機能し、数多くの皇帝が居住しましたが、次第にその役割を失い、904年には洛陽へ遷都されました。

唐王朝の終焉とともに、この地は荒れ果て、20世紀までその存在は薄れてしまいました。しかし、1957年からは遺跡の発掘が始まり、現在は大明宮国家遺跡公園として一般に公開されています。

大明宮国家遺跡公園

2010年に開放されたこの公園は、中国初の国家考古遺跡公園です。主要な宮殿区域や文物鑑賞区域が整備されており、訪れる人々は古代の唐代文化を肌で感じることができます。公園内の丹鳳門遺跡博物館では、復元された丹鳳門と発掘された遺物が展示されており、考古探索センターでは考古学に関する体験ができます。

太液池は復元され、 pond 周辺には美しい庭園も整備されています。牡丹や菊など、多様な植物が植えられ、歴史的な景観が楽しめる場所となっています。

大明宮の歴史と魅力は、訪れる観光客に深い感動を与え、多くの人々に愛されています。

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