大朝交通

大朝交通

大朝交通（おおあさこうつう）は、広島県山県郡北広島町大朝に本社を置く、地域の公共交通を支える事業者です。主に路線バス、観光バス、そしてタクシー事業を手掛けています。本社は北広島町大朝2487に位置しています。

沿革と事業の変遷

大朝交通は1971年12月22日に設立されました。設立当初は観光バス事業が主軸でしたが、地域の公共交通を取り巻く環境の変化に対応するため、事業領域を広げていきました。特に、かつて大朝地区で運行されていた中国JRバスや広電バスの一部路線が撤退する状況を受け、北広島町からの支援のもと、大朝交通は路線バス事業を引き継ぎ、地域公共交通の維持・確保に貢献しています。

歴史を振り返ると、1985年5月2日には大朝と美和を結ぶ代替バスの運行が開始されました。また、2006年7月1日からは、予約制の乗合タクシーである「ホープタクシー大朝」の運行を開始し、交通空白地域の解消に努めています。近年では、2021年3月にキッチンカー事業への参入というユニークな取り組みも始めています。公共交通事業の面では、2023年3月31日に上大塚〜大朝間が廃止され、この区間はホープタクシーによる代替運行に切り替わる一方で、広域路線バスの一部は毎日運行になるなど、路線の見直しも進められています。

運行事業

路線バス

大朝交通が運行する乗合バスは、いずれも地域の中心地である大朝駅への乗り入れを行っています。かつて一部の事業者で利用可能だった共通バスカードは、現在大朝交通の路線では利用できません。

広域路線バス（大朝千代田線「ホープバス」）

この路線は、上大塚から大朝駅、大朝IC、安芸新庄、蔵迫、壬生口、北広島町役場前、千代田ICバスセンターを経由し、壬生、北広島病院までを結ぶ広域を結ぶ重要な路線です。特に広島電鉄から引き継いだこの路線は、「ホープバス」という愛称で親しまれています。大朝駅〜千代田ICバスセンター間ではかつて中国JRバスも並行して運行していましたが、中国JRバスが大朝ICや北広島町役場前を経由しなかったのに対し、ホープバスはこれらの地点を経由する点で異なりました。中国JRバスの廃止に伴い、以前は日祝運休だったものが毎日運行へと変更され、利便性が向上しています。

地域内バス

大朝地域内の移動を支える路線です。代表的なものに、大朝ICから大朝駅を経由して筏津芸術村前、安芸美和（美和診療所）を結ぶ美和線があります。これらの地域内バスには独自の運賃体系が設定されています。

運賃体系:
大朝地域内（大朝IC〜大前原間）または芸北地域内（中谷橋〜安芸美和間）のみの場合:
大人 300円、小学生・幼児 150円、大人障害者等 150円、小学生・幼児障害者等 80円、乳児 無料
大朝地域と芸北地域にまたがる場合:
大人 400円、小学生・幼児 200円、大人障害者等 200円、小学生・幼児障害者等 100円、乳児 無料

地域内バスは全便が日曜日、祝日、お盆期間、年末年始は運休となります。

ホープタクシー大朝（予約制乗合タクシー）

ホープタクシー大朝は、予約制で運行される乗合タクシーサービスです。法的な位置づけとしては、一般乗合旅客自動車運送事業（乗合バス）として扱われます。利用に際しては、事前に予約センターへの電話予約が必要となります。

運賃:
大人 500円、小学生・幼児 250円、乳児 無料。
新庄エリア（北広島タクシー運行エリア）への乗り継ぎが必要な場合は、上記に加えて大人 200円、小学生・幼児 100円が加算されます。

運行エリアは大朝エリア内（例: 大谷、筏津、田原、大朝駅、大朝IC、新庄、原東など）です。こちらのサービスも、日曜日、祝日、お盆期間、年末年始は運休となります。

貸切バス

観光や団体輸送ニーズに対応する貸切バス事業も行っています。大朝交通は、地域の交通事業者が共同で運営するホープバス協同組合に加盟しており、貸切バスの配車は組合内で共同で行われる体制をとっています。特に大型バスには「HOPE LINER」という共通のデザインが採用されています。

ホープバス協同組合との連携

大朝交通は、地域の交通事業者であるホープバス協同組合の加盟社として、特に貸切バス事業において他社との連携を図り、効率的な事業運営に努めています。地域の交通ネットワーク全体を支える一員としての役割も担っています。

地域の公共交通を維持・発展させるため、路線バス、タクシー、観光バスといった様々な形態のサービスを提供し、地域住民の生活を支え、観光客の移動手段を確保する重要な役割を果たしています。

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