大村和久

大村和久九段：名古屋将棋界の重鎮

大村和久九段は、1928年2月18日、愛知県名古屋市に生まれました。1949年に入門、1956年に四段としてプロ棋士となりました。棋士番号は71番です。師匠は板谷四郎九段でした。

大村九段は、現役時代、王位戦でリーグ入りを果たし、タイトル挑戦まであと一歩という活躍を見せました。最終的に大山康晴王位に挑戦したのは丸田祐三九段でした。これは大村九段の棋力の高さを示すエピソードと言えるでしょう。

師匠である板谷四郎九段、そして板谷進九段と続く、中京棋界の重鎮である板谷親子が亡くなった後、大村九段は中京棋界を支える長老として、日本将棋連盟の理事を務め、東海本部本部長も歴任しました。

引退後は、故郷名古屋市で将棋教室を開き、指導者としての道を歩みました。その教室に通っていた杉本昌隆八段は、大村九段を「アマチュア時代の自分の師匠」と慕い、大村九段の指導の的確さと温かさを物語っています。数多くの後進を育成し、名古屋将棋界の発展に大きく貢献しました。

大村九段の昇段履歴は次の通りです。

1949年：入門
1950年：初段
1956年：四段（プロ入り）
1961年：五段
1963年：六段
1974年11月：七段
1975年：引退
1994年11月：八段（引退後昇段）

2023年1月7日、大村和久九段は心不全のため94歳で亡くなりました。存命する棋士の中で最高齢であり、その逝去は将棋界に大きな悲しみをもたらしました。長年にわたる将棋界への貢献と、後進への指導は、多くの棋士や将棋ファンに深い影響を与え続け、その功績は永遠に語り継がれることでしょう。大村九段の冥福を心よりお祈りいたします。

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