大村神社 (大村市)

大村神社の概要

大村神社（おおむらじんじゃ）は、長崎県大村市に位置する風格ある神社で、その起源は江戸時代の大村藩に遡ります。この神社は、旧藩主の居城であった玖島城の本丸跡に建立され、長い歴史を持つ地域の重要な文化財とも言えます。旧社格は県社であり、地域の人々に深い信仰を寄せられています。

祭神について

大村神社の主祭神は、歴代の大村氏の藩主たち7柱です。具体的には大村直澄公、同親澄公、同澄宗公、同澄遠公、同純興公、同純弘公、同純熈公の7名が主祭神として祀られています。さらに、同家の祖とされる藤原鎌足公や藤原純友公をはじめとする他の領主や藩主合計36柱も配祀されています。これにより、大村神社は大村藩の歴史と伝統を深く反映した場所となっています。

由緒と歴史

大村神社の起源は文化2年（1805年）にさかのぼります。当時の藩主であった大村純昌が、祖先である藤原純友公とその一族を「御霊宮大明神」として創祀したことが、この神社の始まりです。文化11年には新たに純鎮公が合祀され、後に天保9年（1838年）には純昌公も合祀されることになりました。藩主からの祭祀料を受けるなどの厚い崇敬を受け、明治3年（1870年）には、他の歴代藩主9名も合祀され、社名が「常磐神社」と改称されました。

明治4年には廃藩置県が行われ、旧藩主と領民との絆を強めるために、この神社は重要な役割を果たすこととなりました。旧藩士らが発起し、必死に地域住民とともに神社を祀ることに努め、同7年には村社に昇格しました。ただし、当初の池田山は参拝が困難であるとの意見が多く、久しく荒れ果てていた玖島城本丸跡に新社地を定め、明治16年には社名変更と社殿建設に着手。翌年には正式に遷座されました。

その後、大正4年（1915年）には、藩主の霊璽を本殿に祀り、他の祭神たちも全て本殿に合祀されることになりました。戦後の1955年には、社殿地が大村家から寄贈され、現在に至るまで地域の人々とともに大切にされています。

境内社と文化財

境内には玖島稲荷神社があり、元々三城城址に鎮座していましたが、明治41年（1908年）に現在の地に移設されています。また、大村神社の本殿前には2本のオオムラザクラ（大村桜）があり、国の天然記念物に指定されており、さらに境内にはクシマザクラ（玖島桜）もあり、これは長崎県の天然記念物に指定されています。

このように、大村神社は歴史的背景に根付いた貴重な神社であり、地域文化の象徴として、今なお多くの人々に愛され続けています。

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