大森城 (伊予国)

大森城（おおもりじょう）

大森城は、現在の愛媛県宇和島市三間町に存在した日本の城、特に山城として知られています。この城は、三間盆地の西端にそびえる標高316mの大森城山山頂に位置しており、その立地から三間盆地全体を見渡せる戦略的な要衝でした。

歴史的背景

大森城は、伊予西園寺氏の本城である黒瀬城へと続く道が通る、非常に重要な拠点でした。城の構造は、山頂付近が急峻な斜面で構成され、その上に3段の平坦地が設けられていました。この地は、土居氏が代々居城としており、戦国時代末期には土居清良が城主を務めていました。

土居清良は、伊予西園寺氏の家臣として、大森城を守り抜き、永禄3年（1560年）以降には、大友氏や彼らと結んだ土佐一条氏の侵攻を、この城で防ぎました。また、長宗我部氏の侵入にも耐え、天正15年（1587年）に戸田勝隆が伊予国に移封されるまで、清良は大森城に留まりました。

城の構造と特徴

大森城は、自然の地形を巧みに利用した山城であり、急峻な地形が天然の防御壁となっていました。山頂に設けられた3段の平坦地は、それぞれが郭（かく）として機能し、段階的に敵の侵入を防ぐ構造になっていました。城からは三間盆地を一望できるため、周辺地域の監視や敵の早期発見に役立ちました。

現在の状況

現在、大森城の具体的な遺構は限られていますが、その跡地からは当時の地形や構造を偲ぶことができます。城跡を訪れることで、戦国時代の武将たちがどのような戦略を持ってこの地を守り抜いたのか、歴史に思いを馳せることができます。

参考文献

角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典（38.愛媛県）』、角川書店、1991年
日本歴史地名大系 (オンライン版)

関連項目

* 日本の城一覧

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