大樹孝啓

大樹孝啓について

大樹孝啓（おおき こうけい）は、1924年（大正13年）に兵庫県飾磨郡曽左村書写（現在の姫路市書写）で生まれた天台宗の僧侶です。圓教寺第140世長吏、第258世天台座主を務めました。彼の祖父の師である大樹徧謙は、比叡山宝珠院に所属していました。

生涯

大樹孝啓は旧制大正大学予科を修了後、1943年（昭和18年）に出家し、圓教寺塔頭仙岳院で得度しました。その後、滋賀海軍航空隊に入隊しましたが、1945年（昭和20年）には置塩山法界寺住職に就任しました。

1948年（昭和23年）からは、姫路市の小学校教師として17年間教鞭を執り、その間1962年（昭和37年）には得度を受けた仙岳院の住職にも就任しました。1980年（昭和55年）には圓教寺執事長、1984年（昭和59年）には圓教寺第140世長吏に任じられました。

1996年（平成8年）には大僧正に補任され、天台宗審理局局長を2000年（平成12年）まで務めました。その間、1999年（平成11年）には戸津説法を勤めています。2010年（平成22年）に探題職に任じられ、2015年（平成27年）には次席探題に就任しました。

2016年（平成28年）には、一隅を照らす運動会長に就任し、2021年（令和3年）には97歳という高齢で天台座主に就任しました。この就任は、現存する史料に基づけば歴代最高齢であり、兵庫県の寺院の住職経験者が天台座主に就任するのは史上初のことです。天台座主就任に伴い、「一隅を照らす運動」の総裁にも就任しました。2022年（令和4年）には伝燈相承式に臨みました。

家族

大樹孝啓の家族は以下の通りです。

祖父: 大樹徧誠 - 圓教寺末寺の置塩山法界寺住職。大津市出身で、幼少期に比叡山宝珠院に入り、大樹姓を名乗る。
父親: 大樹承算 - 圓教寺第138世長吏。
叔父: 丸山俊誠 - 浄土宗増上山潮泉寺住職。承算の実弟。俊誠の子で従弟の博正は大正大学教授。
息子: 大樹玄承 - 圓教寺第141世長吏。
甥: 西池季久 - 菅大臣神社宮司。

その他

大樹孝啓は、天台宗の発展に尽力し、その生涯は多くの人々に影響を与えています。特に、高齢での天台座主就任は、仏教界においても注目を集めました。

参考文献

『天台ジャーナル』2021年12月1日
一隅を照らす会長就任 - ウェイバックマシン（2022年6月17日アーカイブ分）
一隅を照らす総裁就任 - ウェイバックマシン（2022年6月17日アーカイブ分）
根本中堂で伝燈相承式 - ウェイバックマシン（2022年6月17日アーカイブ分）
天台宗務庁での初会見 - ウェイバックマシン（2022年6月17日アーカイブ分）

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