大沢基将

大沢基将の生涯

大沢基将（おおさわ もとまさ）は、江戸時代前期に活躍した高家旗本であり、重要な官位である従四位上・左少将を持つ人物です。彼の生い立ちは、長男として大沢基重のもとに誕生したことから始まります。

基将は、寛永10年（1633年）2月19日には、3代将軍である徳川家光に拝謁し、将軍に認められる重要な一歩を踏み出しました。続いて、正保元年（1644年）には従四位下・兵部大輔に叙任され、奥高家に抜擢されました。この地位は、彼の官僚的なキャリアにおいて非常に重要な役割を果たしました。

その後、正保3年（1647年）12月1日には侍従に昇進し、名実ともに幕府の中枢に関与する存在となります。慶安3年（1650年）には父を亡くし、その後家督を継ぐこととなりました。これにより、家族の名誉を守りながら、幅広い仕事をこなす責任を担うことになったのです。

基将は、京への遣いとして何度も上洛し、幕府と朝廷の架け橋として重要な役割を果たしました。明暦元年（1655年）10月9日には、朝鮮通信使のための参拝準備に日光へ出向き、国際的な礼儀の維持にも努めました。また、寛文2年（1662年）には、京都を襲った大地震の後、朝廷への機嫌伺いのために再度上洛しています。このように、基将の活動は幕末の政治情勢の中で重要な意味を持っていました。

寛文3年（1663年）3月25日には、霊元天皇の即位を祝うために松平直政とともに京都に上洛し、6月3日には再度従四位上・左少将に昇進する栄誉を受けました。これにより、彼の地位はさらに高まり、幕府におけるその影響力は非常に強くなっていきました。

しかし、生涯において基将には子供がなく、その後の家系を残すために養子として伊勢国津藩主の藤堂高次の四男、基恒を迎え入れることになります。彼がどれほど家族の継承に心を砕いたかは、こうした選択からも伺えます。

延宝6年（1678年）には相模国の箱根塔ノ沢温泉で病を患い、療養を行っていましたが、その地で息を引き取りました。基将の遺体は、宿盧寺にて安置されており、江戸時代の高家旗本としての生涯を経て、彼の業績は歴史に刻まれています。

大沢基将の一生は、幕府の中での彼の役割や家族を守るための苦労など、江戸時代前期の政治的背景を色濃く反映しています。

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