大河平隆次

大河平隆次（おこびら たかつぐ）

戦国時代の武将、大河平隆次は、肥後国菊池氏の庶流である大河平氏の出身です。大河平氏はもともと北原氏の家臣でしたが、隆次の時代には北原氏は伊東氏に乗っ取られ、大河平氏は島津氏と関係を深めていました。

若き当主の決断

隆次は、大河平隆屋の孫で、兄の急死により1564年に家督を継ぎました。当時の大河平氏は、北原氏が伊東氏に奪われた旧領を取り戻したものの、北原氏と関係が悪化。その結果、隆次は自身の居城である今城をわずかな手勢で守らなければならない状況に立たされました。

今城の戦い

1564年5月、伊東義祐は1,000の大軍で今城を攻撃します。隆次は城の守りを固め、地の利を生かして伊東軍を翻弄しました。城の西には狗留孫川が流れる深い谷があり、隆次はこの谷に大木や岩石を落とし、多くの敵兵を谷底に突き落としたと伝えられています。しかし、伊東軍は永野城を落とし、そこから得た情報をもとに今城の北側から攻勢を強めます。隆次は孤立無援の中、援軍を待つことができず、城兵と共に討ち死にしました。享年15歳という若さでした。

その後の大河平氏

隆次の姉であるナミは、島津氏に協力し、大河平氏の旧領を回復させました。また、隆次を追悼するため、屋敷にキリシマツツジを植え、そのツツジは「血潮ツツジ」と呼ばれ、現在でも小学校跡地で見ることができます。



隆次の死は、一族にとって大きな悲しみでありましたが、その勇猛果敢な戦いぶりは後世に語り継がれています。


大河平隆次は、戦国時代の激動期において、わずか15歳でその生涯を終えた悲劇の武将である。
隆次は、主君のために命を懸けて戦い、その武勇は今も語り継がれている。
隆次の姉ナミは、大河平氏の再興に尽力し、その功績は称えられている。
今城の戦いは、戦国時代の激しい戦いを象徴する出来事の一つである。

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