大河津可動堰

大河津可動堰について

新潟県燕市を流れる一級河川・大河津分水に位置する大河津可動堰は、水流調整のために設計された重要なインフラです。国土交通省が管理を担っており、北陸地方整備局信濃川河川事務所がその運用を行っています。この堰は、2011年11月23日に供用を開始し、現在の形となりました。

概要

新たな可動堰は、44.45メートルの間隔を持つ6つの部分（純径間37.95メートル）で構成されており、全長は293.1メートルです。特に、ラジアルゲート形式の水門を持ち、上部には管理橋が設置されています。ただし、通常の運用時には無関係者の立ち入りは禁止されています。以前の可動堰は、18メートルの間隔を持つ10部分からなっており、全長は180メートルでしたが、老朽化が進んだため新設が決定されました。

新しい可動堰の設計は、洪水時の水流の処理能力を大幅に向上させ、最大で毎秒約600立方メートルの能力を持っています。これにより、地域の洪水防止や灌漑機能が強化されています。

機能

大河津可動堰は、信濃川の流水量を効率的に調整するために設計されています。普段は洗堰を開放し、下流域への水供給を行い、その後の水は大河津分水を通じて日本海へ放流されます。洪水が発生した場合は、洗堰を閉じて可動堰を開放し、全ての水を直接日本海へ流す仕組みです。

上流で洪水が発生しても、下流が影響を受けていなければ洗堰を開放しますが、逆に洪水時にはその水を大河津分水を経由して流すことで、下流域の護岸を守ります。

沿革

大河津分水路は1922年8月に通水を開始し、1927年には前身の自在堰が壊れて補修工事が行われました。1931年に可動堰が完成するも、1973年には副堰堤が追加され、1982年には記録的な水位を記録しました。2003年からは特定構造物改築事業が始まり、2011年の供用開始に至りました。

危機管理

堰の周辺には国土交通省の出張所があり、河川の監視が24時間体制で行われています。大河津観測所では水位に基づく4つの警戒レベルが設定され、住民への警戒情報の発信が行われています。レベルは水位12.5メートルから始まり、最も高いレベル4は16.1メートルです。堰が決壊した場合の被害想定では、14万人の影響を受けることが予測されています。

この新しい大河津可動堰は、2011年に完成し、山陰地方の地震クラスにも耐える設計がなされており、地域住民の安全が考慮されています。

まとめ

大河津可動堰は、その設計と機能により、新潟県の洪水管理や水供給に欠かせない存在です。地域のインフラとして、安心して暮らすための重要な役割を果たしています。

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