大河津橋

大河津橋（おおこうづばし）

大河津橋は、新潟県長岡市敦ケ曽根と燕市五千石を結ぶ、大河津分水路に架かる国道116号の橋梁です。橋長は634.8メートルあり、地域の重要な交通インフラとして機能しています。

概要

大河津橋は、長岡市と燕市を隔てる人工河川、大河津分水路に架けられた橋であり、現在供用されている橋は3代目にあたります。

現橋の諸元

現橋は、鋼3径間連続箱桁橋3連という形式を採用しており、活荷重は1等橋（TL-20）に対応しています。具体的な諸元は以下の通りです。

形式: 鋼3径間連続箱桁橋3連
活荷重: 1等橋 (TL-20)
橋長: 634.800 m
支間割: (70.100 m + 2×70.200 m) + (3×70.200 m) + (2×70.200 m + 70.000 m)
幅員: 総幅員 12.150 m（暫定2車線）、有効幅員 11.250 m
車道: 8.750 m
歩道: 片側2.500 m
床版: 鉄筋コンクリート
総鋼重: 2619.853 t
下部工: 逆T式橋台・張り出し式小判型橋脚
基礎: 杭基礎・直接基礎
施工: 石川島播磨重工業・松尾橋梁JV、川崎重工業・日本橋梁JV、駒井鐵工所・住友重機械工業JV
架設工法: 自走クレーンベント工法・ベント押し出し工法

旧橋の諸元

2代目の橋梁は、鋼下路単純ワーレントラス橋4連とRC21径間カンチレバー橋桁橋で構成されていました。

形式: 鋼下路単純ワーレントラス橋4連+RC21径間カンチレバー橋桁橋
橋長: 619.5 m
支間割: 4×(50 m) + (6.35 m + 14×20 m + 20.3 m) + (20.3 m + 4×20 m)
幅員:
車道 - 5.5 m
歩道 - なし（1972年〈昭和47年〉側道橋添加）
床版: 鉄筋コンクリート
下部工: 重力式橋台・半重力式橋脚
基礎: 井筒基礎
施工: 大阪鐵工所（トラス部）


1972年には、歩行者のために側道橋が追加されました。側道橋の形式は鋼床版デッキプレート・鋼床版鋼H形桁橋で、幅員は2.5mでした。

歴史

大河津分水路は、信濃川の洪水を日本海へ直接流すために建設された人工河川であり、1922年（大正11年）に通水しました。これに伴い、分断された地域を結ぶ必要が生じ、1920年（大正9年）10月17日に初代の大河津橋が架橋されました。初代の橋は木橋で、橋長624 m、幅員3.6 mでした。

1941年（昭和16年）には、新潟県によって2代目の橋梁が建設されました。これは鋼トラス橋とRCカンチレバー橋からなる永久橋でしたが、歩道がなかったため、1972年（昭和47年）に側道橋が追加されました。

しかし、2代目橋梁は国道116号の交通量増加に伴い老朽化が進み、1973年（昭和48年）には床版が抜け落ちるなどの損傷が発生しました。そのため、1974年度（昭和49年度）には床版補強工事が実施されました。

老朽化、幅員狭小、橋脚の洗堀といった問題を抱えていたため、抜本的な対策として架け替えが決定され、1975年度（昭和50年度）に事業化されました。そして、1982年（昭和57年）11月18日に1期橋が完成しました。

大河津可動堰の更新工事に伴う掘削作業中に、初代大河津橋の橋脚が出土し、その一部は信濃川大河津資料館に展示されています。

大河津橋架替事業

架替事業は以下の概要で行われました。

起点: 新潟県三島郡寺泊町敦ケ曽根
終点: 新潟県西蒲原郡分水町五千石
路線延長: 2.8 km
規格: 第3種第2級
車線数: 暫定2車線（完成4車線）
* 幅員: 28.0 m（完成時一般部）、22.0 m（完成時橋梁部）

この事業は、左岸道路1300 m、新橋635 m、右岸道路865 mから構成され、左岸部は長岡国道工事事務所、新橋と右岸部は新潟国道工事事務所が担当しました。1975年度に事業化、1976年度に用地着手、1979年度に工事着手し、1982年度に新橋を含む1.1 kmが暫定2車線で供用開始、1984年度には0.9 kmが暫定2車線で供用開始されました。分水側は交差点が連続するため、分水高架橋による立体交差が採用されました。

下部工、上部工、床版工、旧橋撤去など、各工程を経て、新たな大河津橋が完成しました。

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