大洞山 (三重県)

大洞山：三重の自然と眺望を満喫できる山

大洞山は、三重県津市美杉町の中央部に位置する、雄岳と雌岳の二峰からなる山です。標高は雄岳が1013m、雌岳が985mと、1000m級の山容を誇ります。かつては活火山でしたが、現在は死火山として静かにたたずんでいます。

山容と自然環境

大洞山は、淀川水系と伊勢湾へ流れる水系の分水嶺である布引山地の南端に位置し、なだらかな稜線が東西に伸びる、御椀を伏せたような形状をしています。北隣の尼ヶ岳とともに室生火山群に属し、その山域の一部は奈良県宇陀郡御杖村にも広がっています。

山林は広葉樹と人工林で構成され、山麓には苔むした大洞石と呼ばれる火山特有の軽石が見られます。春にはカタクリの群生地、エイザンスミレなども見られ、山頂付近には様々な高山植物が生育しています。自然豊かで美しい景観は、多くの登山者を引きつけます。

室生赤目青山国定公園内にあり、東海自然歩道も中腹を通っていることから、ハイキングコースとしても人気が高く、関西百名山にも選定されています。

眺望

大洞山の眺望は、その美しさで知られています。西側斜面からは、ススキの草原と美杉の静かな山村の景色を、見下ろすように眺めることができます。一方、東側からは、太郎生の集落を挟んで対峙する倶留尊山や日本ボソなどの荒々しい山々を望むことができます。それぞれの眺望が、異なる魅力を放っています。山頂には雄岳と雌岳がありますが、三角点は雌岳にのみ設置されています。

アクセスと周辺施設

近年、大洞山の中腹、標高約700m付近にはスカイランドおおぼらキャンプ場が整備されました。このキャンプ場には、リモコン式の巨大天体望遠鏡が設置されており、天体観測を楽しむことも可能です。キャンプ場や周辺施設の充実により、ますます多くの人が訪れるようになりました。

山名の由来

大洞山の名前の由来は、金峯山寺真福院を訪れる修験者たちが持つホラ貝に似ているという説が有力です。真福院への参道には、国の名勝にも指定されている「三多気の桜」と呼ばれる吉野桜の並木があり、春には美しい桜並木を楽しむことができます。また、真福寺周辺から大洞山を眺める角度によっては、北隣の尼ヶ岳とともに独立峰のように見えるとも言われています。

詳細データ

雄岳：
標高：1013.0m
所在地：三重県津市美杉町八知、美杉町太郎生
経度：東経136度12分53.5秒
緯度：北緯34度32分19.1秒

雌岳：
標高：984.8m
所在地：三重県津市美杉町八知、美杉町太郎生
経度：東経136度13分6.2秒
緯度：北緯34度32分0.7秒

地図情報：Googleマップ、国土地理院のウォッちずで確認できます。

大洞山は、豊かな自然、美しい眺望、そして充実した周辺施設と、多くの魅力を兼ね備えた山です。ハイキングやキャンプ、天体観測など、様々な楽しみ方ができる、三重を代表する山のひとつと言えるでしょう。

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