大津島

大津島の魅力と歴史

大津島（おおづしま）は、山口県周南市の徳山下松港から数十キロ離れたところに位置する細長い離島です。南北に約10キロメートル伸びるその島は、かつての2つの島である本島と馬島が、太平洋戦争の終わりに人間魚雷「回天」の訓練施設設立に伴い、埋め立てられて1つに統合されています。

歴史的な背景

この島は、軍事において戦略的な重要地点とされたため、海軍の魚雷発射試験場が設けられました。ここでは、人間魚雷「回天」の訓練が行われたことで知られています。また、戦艦大和が最後に停泊した場所とも伝えられており、島の歴史に深く刻まれています。さらに、北側には樺島、南側には洲島、そして東側には黒髪島が位置し、美しい海に囲まれた自然環境も魅力の一部です。

産業と農業

島の主な産業としては、黒御影石の産出が挙げられます。かつて刈尾地区や瀬戸浜地区、近江地区に採石場が存在していましたが、現在は石材加工工場のみが残り、実際の採石活動は行われていません。一方、農業も盛んで、タバコやウンシュウミカン、サツマイモ、スイカなど、多様な作物が育てられています。

教育事情

かつて大津島には、大津小学校と馬島小学校、さらには大津島中学校の3つの教育機関がありましたが、現在では小学校は統合され、馬島小学校が大津島小学校に変更されています。また、中学校も南端に移転し、2006年には大津島小学校の中に大津島中学校と幼稚園が併設されるようになりました。しかし、2015年から中学校、2016年からは小学校が生徒不在により閉校する事態となりました。

観光名所

大津島では、「回天」の訓練施設の跡地に建てられた回天記念館が観光名所として人気を集めています。この記念館では、人間魚雷「回天」の訓練基地に関する展示が行われており、戦争にまつわる遺構も見学できます。2006年には「大津島旧回天発射訓練基地」が土木学会選奨土木遺産に認定されており、その意義が評価されています。

交通アクセス

交通手段としては、徳山港から1日7便のフェリーや旅客船が運航されています。「フェリー新大津島」（定員200名）と「旅客船 鼓海II」（定員150名）という2つの船があり、訪問者はこれらの船で大津島にアクセスします。徳山港では船種により異なる乗り場が設けられており、フェリーは主に刈尾港や馬島港に着き、旅客船は本浦港、瀬戸浜港、刈尾港、馬島港を経由します。ただし、本浦港には1日あたりの出港便が限られていますので留意が必要です。

このように、大津島は歴史的、文化的、自然環境的に魅力が溢れる地域であり、訪れる価値のある場所です。

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