大津透

大津透（おおつ とおる）は、1960年10月9日生まれの日本の歴史学者です。東京大学文学部国史学科を卒業後、同大学大学院博士課程を中退。山梨大学で教鞭を執った後、東京大学に戻り、現在に至ります。専門は日本古代史で、特に律令制や古代天皇制に関する研究で知られています。

研究内容

大津透の研究は、日本古代の律令制を東アジアという広い文脈の中に位置づけ、その上で日本固有の部分を明確にすることを目指しています。また、古代天皇制の特質を解明しようとする点も、研究の大きな特徴です。律令法や国家財政といった具体的なテーマを通じて、古代日本の政治・社会構造を深く掘り下げています。

経歴

1979年3月：武蔵高等学校卒業
1983年3月：東京大学文学部国史学科卒業
1987年3月：東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退
1987年4月：山梨大学教育学部専任講師
1990年9月：山梨大学教育学部助教授
1994年：東京大学より博士（文学）の学位を取得（論文：「律令国家支配構造の研究」）
1997年：東京大学人文社会系研究科助教授
2007年：東京大学人文社会系研究科准教授
2010年7月：東京大学人文社会系研究科教授

人物像

大津透は、武蔵中学校・高等学校の出身で、同級生には、株式会社LIXILグループ取締役 代表執行役社長 兼 CEOの瀬戸欣哉氏、歴史学者の本郷和人氏、建築史家で工学院大学理事長の後藤治氏、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 宇宙科学研究所長の國中均氏などがいます。

主な著書

『律令国家支配構造の研究』（岩波書店、1993年）
『古代の天皇制』（岩波書店、1999年）
『日本の歴史 第6巻 道長と宮廷社会』（講談社、2001年、編集委員、のち講談社学術文庫、2009年）
『日唐律令制の財政構造』（岩波書店、2006年）
『日本古代史を学ぶ』（岩波書店、2009年）
『天皇の歴史 第1巻 神話から歴史へ』（講談社、2010年、のち講談社学術文庫、2017年）
『律令制とはなにか』（山川出版社、日本史リブレット、2013年）
『律令国家と隋唐文明』（岩波新書、2020年）
『藤原道長 摂関期の政治と文化』（山川出版社、日本史リブレット人、2022年）

共編著

『日本の歴史 第8巻 古代天皇制を考える』（講談社、2001年、のち講談社学術文庫、2009年）
『王権を考える』（山川出版社、史学会シンポジウム叢書、2006年）
* 『律令制研究入門』（名著刊行会、歴史学叢書、2011年、編）

大津透は、日本古代史の研究において、独自の視点と深い知識に基づいた研究を続けており、その成果は多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索