大浪池

大浪池：霧島山の神秘的な火口湖

大浪池は、鹿児島県霧島市にある霧島連山の北東部に位置する、直径約630メートル、周囲約2キロ[[メートル]]のほぼ円形の火口湖です。古くから「大波池」とも呼ばれてきました。約4万年前に起きた霧島山の火山活動によって形成され、その際に噴出した大量の軽石は周辺の地層に残っており、「イワオコシ軽石」として知られています。

深く透き通る湖水と独特の生態系

池の水深は約11.6メートルあり、暗青緑色の美しい湖水をたたえています。透明度が高いため、水底まで見通せるほどです。水質はpH5.20の強い酸性ですが、驚くべきことにフナなどの魚類が生息しています。また、大浪池の特徴として、池から流出する川がない点が挙げられます。火口湖の標高は1241メートルで、周囲の火山地帯の標高は1412メートルに達します。

古くから、この池には神龍が住んでいるという伝説も伝えられています。この神秘的な雰囲気も、大浪池の魅力を高めています。

アクセスと周辺環境

大浪池へは、霧島市と宮崎県小林市を結ぶ道路からアクセスできます。南西側にある大浪池登山口から、石畳の登山道（片道約40分）を利用して訪れることができます。また、池の周囲には遊歩道（一周約2時間）も整備されており、ミヤマキリシマやクマザサなどの豊かな自然を満喫できます。

登山口付近には、2013年に霧島市が設置した避難用の退避壕（収容人数29名）があります。また、かつては1963年に設置された「大浪池休憩舎」がありましたが、老朽化のため現在は使用禁止となっています。

秋にはカエデやアカマツなどの紅葉が美しく、冬には池が結氷するなど、四季を通じて変化に富んだ景観が楽しめます。

新燃岳噴火と大浪池

1959年2月13日、新燃岳の噴火が記録されています。この噴火で、大浪池火口の南側外縁部にあった警察無線中継所が噴石の被害を受けました。現在では、その跡地に国土交通省の設備が設置されています。

池の名前の由来：伝説と自然

大浪池という名前の由来については、池面に波が立つ様子から名付けられたという説の他に、地元に伝わる美しい伝説があります。

昔、子供に恵まれなかった夫婦が山の神に祈願したところ、女の子が生まれました。夫婦は娘を「お浪」と名付けました。美しく成長したお浪は、多くの求婚を断り続けました。そしてある夜、彼女は山の池に飛び込み、竜神の化身であったことが明らかになります。この伝説から「お浪の池」と呼ばれ、それが変化して「大浪池」となったとされています。

大浪池は、自然の造形美と、そこに息づく伝説が織りなす神秘的な空間です。霧島を訪れた際には、ぜひ訪れて、その魅力を体感してください。

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