大淀 (大阪市)

大淀：梅田に隣接する歴史と発展の街

概要

大淀は、大阪府大阪市北区北西部に位置する地域です。梅田の北西約1キロメートルにあり、オフィス街、商業地、高層住宅、古くからの住宅街が混在する活気あるエリアです。地域の一部には工場や倉庫も立地しています。東は中津、南は福島、西は鷺洲と隣接し、淀川を挟んで北には十三、塚本地区が広がっています。

歴史

大淀地区は、かつて西成郡大仁村と浦江村の一部でした。明治時代中期までは農村でしたが、大阪市への近接性と日清戦争後の産業発展を背景に、工場進出や人口増加、市街地化が進みました。特に、大仁新道（現在のなにわ筋）沿いは、商店や飲食店、映画館などが立ち並ぶ賑やかな繁華街として栄えたと言われています。

しかし、1945年の大阪大空襲で大きな被害を受けました。1963年の行政区域改編では、歴史ある大仁と浦江の旧町名を残すべきという声もありましたが、地域対立を避けるため、両町名を統合した「大淀町」が採用されました。

沿革

• - 1889年4月1日：町村制施行により、西成郡鷺洲村大字大仁・浦江となる。
• - 1911年2月11日：鷺洲村が町制施行し、鷺洲町となる。
• - 1925年4月1日：鷺洲町が大阪市に編入され、西淀川区大仁町・浦江町となる。
• - 1928年：西淀川区の大仁町と浦江町がそれぞれ複数の町に分割される。
• - 1943年4月1日：大仁地区の一部と浦江地区の一部が大淀区に編入。浦江地区の残りは福島区に編入され、翌年には町名が変更される。
• - 1963年5月31日：大淀区が「大淀町北」「大淀町中」「大淀町南」に再編。
• - 1977年2月1日：大淀区の町名が「大淀北」「大淀中」「大淀南」に変更。
• - 1989年2月13日：大淀北・大淀中・大淀南が北区に転属。

交通

大淀地区内には鉄道駅はありませんが、JR神戸線（東海道本線）が西端を通り、大阪駅・梅田駅、JR環状線福島駅、JR東西線新福島駅、阪神福島駅、阪急中津駅などが徒歩圏内にあり、交通の便は良好です。かつては阪神北大阪線が地区北部を東西に走っていましたが、1975年に廃止されました。現在、なにわ筋、あみだ池筋といった幹線道路が南北に走り、十三バイパスへのアクセスも良好です。バス路線は大阪シティバス、阪急バス、阪神バスが運行しており、阪神バスの路線はかつての阪神北大阪線のルートを継承しています。

教育

大淀地区には、幼稚園1園、小学校1校、中学校2校（公立1校、私立1校）、高等学校2校（私立2校）、専修学校1校が設置されています。公立小中学校の校区は、大淀小学校と大淀中学校が全域をカバーしています。

• - 大阪市立中大淀幼稚園
• - 大阪市立大淀小学校
• - 大阪市立大淀中学校
• - 金蘭会中学校・高等学校
• - 星槎国際高等学校大阪学習センター
• - 大阪医専

大淀小学校と大淀中学校は、戦後の学校統合などを経て現在の名称となりました。金蘭会中学校・高等学校は、歴史ある女子学校として知られています。また、かつては関西大倉高等学校も地域内にありましたが、1963年に茨木市に移転しています。

施設

大淀地区には、商業施設（新梅田シティ、梅田スカイビル、ウェスティンホテル大阪など）、郵便局（大阪北郵便局、大阪大淀中郵便局）、消防署（大阪市消防局北消防署大淀町出張所）、ザ・シンフォニーホール、公園（浦江公園、大淀中公園、淀川河川公園大淀野草地区など）、神社仏閣、保育所、企業（フェザー安全剃刀本社など）など、様々な施設が立地しています。かつて朝日放送の本社がありましたが、2008年に移転しています。

参考文献

• - 大阪都市協会『大淀区史』大淀区コミュニティ協会・大淀区史編集委員会、1988年
• - 西成郡鷺洲町役場『鷺洲町史』1925年

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