阪神北大阪線

北大阪線の概要

北大阪線（きたおおさかせん）は、大阪府大阪市福島区の野田駅から北区の天神橋筋六丁目までを結んでいた路面電車です。この路線は、1914年8月に開業し、新淀川沿岸の未開発地域を開発する目的で設置されました。設計段階では、北大阪電気軌道が軌道敷設の特許を受けましたが、阪神電気鉄道も関わりを持ち、最終的には1911年に阪神電気鉄道と合併しました。

開業当初、大淀区（現・北区）経由で大阪市街北部の半周を形成し、梅田方面へ向かう各鉄道線を結ぶ補完的な役割を果たしていました。このため、準環状線としての性質を有し、大阪の交通網に位置を確立しました。一方、工事を行う際には、まず道路を建設し、その上に軌道を敷設する手法がとられました。このため、道路建設にも阪神が関与しており、長い間阪神は道路の所有権を主張してきました。

路線の特徴

北大阪線は、その大半が併用軌道として運行されていましたが、中津から北野間にかけては国鉄の貨物線を越える専用部分も設けられました。このような併用と専用の組み合わせは、沿線の名物であり、阪急神戸線との接触が見られるシーンも多くの人々に親しまれていました。ただし、中津からの区間は1928年に貨物線が開通した際に付け替えられたため、開業当初は同様に併用軌道であったのです。

北大阪線は、モータリゼーションの進行にあまり影響されず、割と多くの乗客を集めていました。しかし、1975年に阪神国道線が廃止されたことに伴い、車庫への出入庫が困難となり、結果的に北大阪線はバス運行に転換される運命を辿ることになりました。

車両と運行の変遷

北大阪線では、開業当初からモーター出力の低い1形が主に使用されていましたが、後に31形、そして「金魚鉢」と愛称される71形や91形、201形などが導入され、多様化しました。バス転換後は、阪神バスが「北大阪線」としてその機能を代替しました。特に、中津や天六周辺では一方通行の影響により、上下線でルートが異なることがありました。

バスによる運行でも長期にわたり高頻度で運行され、2000年代初頭には昼間でさえ15分ごとの便が維持されていました。しかし、2007年以降は利用者の減少に伴い運行が厳しくなり、2018年には平日の運行が減少し、2021年にはさらなる減便が行われました。最終的には、2024年1月13日に運転手不足を理由に休止されることが決まりました。

なお、塾前の野田阪神から中津間では、大阪シティバスの58号系統が並行して運行されており、昼間でも頻繁に運行されています。

路線データ

• - 路線距離（営業キロ）：4.3km
• - 軌間：1435mm（標準軌）
• - 駅数：11駅（起終点駅含む）
• - 複線区間：全線
• - 電化区間：全線（直流600V）

歴史

北大阪線の軌道特許は1910年に下付され、1914年には野田から天神橋筋六丁目間が開業しました。その後、1975年には路線が廃止され、多くの人々に愛されてきたこの路線の歴史は幕を閉じました。

主要接続路線

• - 野田駅：阪神本線、阪神国道線、大阪市営地下鉄千日前線
• - 天神橋筋六丁目：阪急千里線、大阪市営地下鉄谷町線・堺筋線
• - 中津駅：阪急神戸本線・宝塚本線

このように、北大阪線は地域開発や交通網の整備に重要な役割を果たしてきた一方で、時代の流れの中で運命を変えざるを得なかった路線でした。

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