大瀧寺

大瀧寺の概要と歴史

大瀧寺（おおたきじ）は、徳島県美馬市に位置する真言宗御室派の準別格本山であり、福大山（ふくだいさん）、慈眼院（じげんいん）とも浸呼ばれています。この寺院は西照大権現（にしてるだいこんげん）を本尊としており、四国八十八箇所の総奥の院であり、四国別格二十霊場の二十番札所として知られています。

本尊の真言は「南無西照大権現」で、御詠歌は「霊峰の 岩間にひらく 法の道　厄をながして 衆生（ひと）ぞすくわる」となっています。大滝山の910mの山頂近くに位置し、別格二十霊場の中では最も高い場所にあります。歴史を辿ると、奈良時代の神亀3年（726年）に行基がこの地に一宇を建立したことが起源とされています。また、空海も訪れた場所として知られ、平安時代前期に寺院の再興がなされたとされています。

歴史の歩み

大滝寺の起源は奈良時代まで遡り、行基が阿弥陀三尊を安置したことから始まります。その後、空海が訪れ、西照大権現の像を安置しました。平安時代の858年には聖宝（理源大師）が護摩を修法するとともに、江戸時代には徳島藩の祈願所として栄え、高松藩からも信仰を受けました。この頃には多くの堂宇が建立され、神仏混淆の信仰の場として賑わっていましたが、火災によって多くが失われてしまいました。特に1970年には大火に見舞われ、本堂を始めとする多くの宝物が失われたのです。

大瀧寺の魅力

境内には美しく整えられた施設があり、赤い鳥居や本堂、鐘堂などが訪れる人々を迎えます。本堂には「西照宮」の扁額が掲げられ、拝殿と奥殿からなる二重構造をしています。大師堂では空海の姿を拝むことができ、その対面には護摩壇が配置されています。また、歴史を感じさせる石に彫られた仏画が本堂横にあります。

大滝寺では、かつての神仏混淆の歴史を感じることができる場所が点在しています。旧境内跡には多くの石仏や石碑があり、昔の信仰の面影を伝えています。また、「杖立所」では空海がこの寺を目指していた際に一休みした場所とされており、石仏とともにその歴史を物語っています。

現在の大滝寺

現在でも、大瀧寺は四国の遍路道として多くの信者に訪れられています。特に夏子ダム方向から向かう参詣者が多いですが、脇町の中央からの道筋にはかつての繁栄を感じさせる痕跡があります。大正時代には再び栄え、四国八十八箇所の遍路もここを訪れました。今後もさらなる訪問者を迎え入れることでしょう。

大瀧寺の自然環境や歴史的背景、そして信仰の深さは、この地を訪れる者にとって特別な体験を提供しています。自然と文化が交わるこの場所では、過去と現在が融合し、訪れる人々に感動を与え続けています。

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