大王埼灯台

大王埼灯台

大王埼灯台は、三重県志摩市大王町波切に位置する、志摩半島大王崎の先端にそびえ立つ中型灯台です。その美しい姿から「日本の灯台50選」にも選ばれており、周辺のリアス式海岸は伊勢志摩国立公園に指定されています。

歴史

大王崎周辺の海域は、古くから「伊勢の神崎、国崎の鎧、波切大王なけりゃよい」と船乗りたちに歌われるほどの難所として知られていました。1913年にはサンマ漁船の遭難で51名もの犠牲者を出し、1918年には3千トン級の巡洋艦「音羽」が大王岩に激突・座礁するという事故も発生しました。これらの海難事故を受けて、灯台の建設が強く求められるようになりました。

1927年10月5日、大王埼灯台は初点灯を迎えました。その後、1954年には無線方位信号所が併設され、1978年12月には改修工事が実施されました。2004年4月1日には無人化されましたが、2005年11月には灯器が第4等二面閃光フレネルレンズからLU-M型灯器へと変更され、灯台としての機能は維持されています。

2013年3月29日には、その歴史的価値が認められ、国の登録有形文化財に登録されました。2016年9月30日には船舶気象通報業務とディファレンシャルGPS局の気象テキストメッセージ配信が廃止され、2019年3月にはディファレンシャルGPS局も廃止されました。

施設

建物

灯台の高さは23mで、建築面積は58m²、塀は延長105mに及びます。鉄筋コンクリート造で、その堅牢な構造は長年にわたり海の安全を見守ってきました。「大王埼灯台・門柱及び塀」として、国の登録有形文化財に登録されています。

付属施設

過去には以下の施設が併設されていましたが、現在は廃止されているものもあります。

無線方位信号所（レーマークビーコン、中波標識局）
ディファレンシャルGPS局（廃止）
船舶気象通報（廃止）

一般公開

大王埼灯台は参観灯台として一般公開されており、内部を見学することができます（有料、中学生以上300円、小学生以下無料）。灯台の上部まで登ることができ、そこからは太平洋を一望できる絶景を楽しむことができます。2013年には、53,244人もの観光客が訪れました。

映画のロケ地

大王埼灯台は、その美しい景観から多くの映画のロケ地としても利用されています。

『君の名は』（1953年、大庭秀雄監督）
『浮草』（1959年、小津安二郎監督）
『学校の怪談4』（1999年、平山秀幸監督）
『小さき勇者たち〜ガメラ〜』（2006年、田﨑竜太監督）

関連項目

参観灯台

外部リンク

* 大王埼灯台 - 志摩市観光協会

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