大生神社

大生神社について

大生神社（おおうじんじゃ）は、茨城県潮来市にある神社で、旧社格は郷社です。この神社は、古代から続く歴史を有し、多くの信仰を集めてきました。

祭神と歴史

祭神として祀られているのは健御雷之男神（たけみかづちのおがみ）で、鹿島神宮の祭神とも関連があります。社伝によれば、大生神社は飯富族が大和から常陸に移住した際に、その氏神として創建されたとされています。また、境内には大生古墳群が残っており、オフ一族の墓とされていることでも知られています。

当社の創建に関しては、二つの説があります。一つは、太古からこの地に鎮座しており、神護景雲元年（767年）に大和国春日から遷幸したというものです。もう一つは、大同元年（806年）に多神社から遷座したというものです。このような歴史的背景から、当社は「鹿島の本宮」や「元鹿島の宮」とも呼ばれています。

概史と境内の特色

国史や神名帳などの文献には、大生神社に関する直接的な記載は見られませんが、鹿島神宮との関連性が深いとされています。中世には、大生氏という豪族からの崇敬を受け、江戸幕府から祭田や山林の安堵を受けたこともありました。明治に入り、近代社格制度において郷社に列わりました。

境内には300種以上の植物が生育しており、特に古木が多く、昼間でも薄暗いほどの樹叢を築いています。この樹叢は、県の天然記念物に指定されています。また、本殿は安土桃山時代の天正18年（1590年）に造営されたものであり、大きな社殿として茨城県の文化財に指定されています。

祭事や地域の文化

大生神社では、毎年11月15日に例大祭が行われています。この祭りは、古式に則った祭儀が行われ、特殊神事としての巫女舞神事も奉納されます。巫女は7歳から13歳の少女の中から選ばれ、簡素ながらも重要な伝承を示す神事が執り行われます。

神社周辺には、大生古墳群が広がっており、大小110余基から成る県下最大規模の古墳群として有名です。これらの古墳は、奉斎氏族であるオフ一族のものであると考えられており、各古墳が大生神社や鹿島神宮を向いているという研究も行われています。また、これらの古墳は古墳時代中期に築造されたとされています。

文化財と現在の情報

大生神社には、茨城県指定の有形文化財として本殿があり、無形民俗文化財として巫女舞神事も指定されています。また、天然記念物として樹叢が保護されています。潮来市にも拝殿や斎殿という有形文化財があり、地域の文化遺産としての役割を果たしています。

現地情報

大生神社は茨城県潮来市大生814に位置し、最寄りの交通機関はJR鹿島線の延方駅から約6kmの距離です。周囲には大生古墳群もありますので、歴史散策を楽しむこともできます。神社自体は、古代からの悠久の歴史と文化を肌で感じることができる貴重なスポットとして、多くの参拝者が訪れています。

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