大生古墳群

大生古墳群（おおうこふんぐん）

大生古墳群は、茨城県潮来市大生に位置する、茨城県指定史跡です。北浦西岸の大生原台地上に広がり、110基以上の古墳で構成される、県内でも有数の規模を誇る古墳群として知られています。

概要

古墳群の築造時期は古墳時代中期（5世紀頃）と推定されています。前方後円墳、方墳、円墳など、多様な墳形が見られるのが特徴です。大生古墳群は、大きく分けて大生東部古墳群、大生西部古墳群、カメ森古墳群、田ノ森古墳群の4つに分類されます。これらの古墳群は、大生神社を中心として点在しています。

特に、大生神社西側に位置する大生西部古墳群は、古墳群を代表するエリアです。このエリアには、茨城県指定史跡である鹿見塚古墳をはじめ、子子舞塚古墳（まごまいづか）、天神塚古墳、白旗八幡古墳など、20基以上の古墳が密集しています。

盟主墳と目される子子舞塚古墳は、全長71.5メートルを測ります。過去の発掘調査では、埴輪や多数の副葬品が出土しており、7世紀頃に築造されたと考えられています。

被葬者

大生古墳群に埋葬された人々は、鹿島神宮と深い関係にあったオフ氏（多氏・飯富氏）一族であると考えられています。古墳群の中央に位置する大生神社は、この一族が奉斎した神社と伝えられています。興味深いことに、各前方後円墳は大生神社または鹿島神宮の方角を向いているという指摘があり、大生神社社伝と合わせて、鹿島神宮とオフ氏の関係については様々な議論がなされています。

文化財

大生古墳群は、貴重な歴史遺産として、以下の文化財指定を受けています。

茨城県指定史跡
鹿見塚古墳 - 1971年（昭和46年）10月28日指定
大生古墳群 - 1975年（昭和50年）3月25日指定
潮来市指定文化財
有形文化財
子子舞塚古墳出土品（考古資料） - 1972年（昭和47年）6月10日指定
史跡
大生殿塚古墳 - 1969年（昭和44年）12月13日指定


大生古墳群は、古代の豪族の勢力や信仰、そして鹿島神宮との繋がりを物語る、貴重な歴史的遺産です。その規模の大きさ、出土品の豊富さ、そして周辺の神社との関係性など、多くの謎を秘めており、研究者や歴史愛好家にとって興味深い場所となっています。

参考文献

現地説明板
『日本歴史地名大系 茨城県の地名』（平凡社）行方郡 大生古墳群項
大和岩雄「大生神社」（谷川健一編『日本の神々 -神社と聖地- 11 関東』白水社、1984年、ISBN 4560025118）

関連項目

大生神社

外部リンク

風土記の里>大生古墳群 - 潮来市ホームページ
大生古墳群 - 茨城県教育委員会
* 大生古墳群（おおうこふんぐん） - 常陸国風土記を訪ねる - 常陸国風土記1300年記念（茨城県生活環境部生活文化課の「大好きいばらき生活文化情報ネット」内）

もう一度検索