大相撲昭和3年1月場所

大[[相撲]]昭和3年1月場所について

1928年（昭和3年）1月12日から22日までの11日間、東京・両国国技館（初代）で開催された大[[相撲]]本場所です。この場所は、前年末に東京相撲が大阪相撲を吸収合併し、大[[相撲]]が一本化されてから初の混乱期における開催となりました。

場所の概要

東西の相撲が統合されたものの、旧東京方と旧大阪方の間には依然として不和が残っていました。そのため、成績集計や番付編成は東西別々に行われるという状況でした。この場所の番付は、直前の10月場所（京都開催）ではなく、さらに前の5月場所（東京開催）の成績を基に編成されました。

また、この場所からNHKによるラジオ中継が開始されました。当初、協会側は客足の減少を懸念していましたが、実際にはラジオ放送が相撲人気を盛り上げる結果となりました。

優勝争いと騒動

3連覇中だった横綱・常ノ花が全休したこの場所、優勝争いは平幕の三杉磯と大関・常陸岩の間で繰り広げられました。三杉磯は初日から全勝で快進撃を続けましたが、大関・常陸岩も1敗で追いかけました。千秋楽、三杉磯は小結・玉錦に敗れて初黒星を喫し、一方の常陸岩は横綱・宮城山を破り、1敗で並びました。当時の番付上位者優勝制度により、常陸岩が優勝となりました。

しかし、この結果に三杉磯の後援会が異議を唱えました。その理由は、常陸岩の白星には、10日目に横綱・西ノ海の休場による不戦勝が含まれていたからです。当時、休場力士が出た場合は対戦相手も休場とするのが慣例で、不戦勝制度が導入されたのは前年の5月場所からと日が浅く、また、不戦勝のアナウンスや勝ち名乗りも行われないなど、制度の認知度が低い状況でした。さらに、幕尻に近い三杉磯を小結の玉錦と対戦させた割も不公平だと批判されました。三杉磯が35歳のベテランで、最初で最後の優勝のチャンスであったことも、世間の同情を呼びました。

騒動の結末

この抗議を受け、協会内で検討が行われた結果、優勝賜杯は常陸岩が拝戴するものの、優勝額は常陸岩と三杉磯の2枚が作成されることになりました（国技館内に掲げられたのは常陸岩のみ）。また、三杉磯には化粧廻しが贈呈されることで決着しました。


この場所は、東西合併後の混乱、ラジオ中継開始という新たな試み、そして優勝を巡る異例の騒動が重なり、大[[相撲]]史に残る場所となりました。

参考文献

* 高永武敏『相撲昭和史 激動の軌跡』恒文社、1982年6月30日。ISBN 4-7704-0489-1

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