大興善寺

大興善寺：隋代における仏教復興の象徴

大興善寺は、中華人民共和国陝西省西安市に位置する寺院です。隋の文帝が仏教復興の象徴として、また国家寺院として建立しました。

寺院の位置と意味

大興善寺は、文帝が新都として建設した大興城の中心、朱雀門街に位置しています。向かいには道教の玄都観が建てられましたが、大興善寺は靖善坊全体を占めており、文帝の仏教重視政策を象徴しています。寺院の建立当初から、仏教による国家統治の中心的な役割を担っていました。

寺名の由来

「大興」は、大興城の建設時に定められた施設名に由来します。「善」の字は、寺院が位置する靖善坊から取られました。

寺院に住した僧侶たち

北周時代に陟岵寺にいた菩薩僧120名が、大興善寺の建立後に移され、住僧となりました。この措置は、武帝時代の通道観や宣帝時代の陟岵寺と同様に、統治者の意向が強く反映されたものでした。

また、闍那崛多、那連提耶舎、達磨般若、毘尼多流支などの西域からの渡来僧や、浄影寺の慧遠、曇遷、霊裕といった高僧名僧が集められ、訳経事業が行われました。この様子は、後の玄奘三蔵による大規模な訳経事業を彷彿とさせます。

僧官の任命

大興善寺の住僧の中から、那連提耶舎が外国僧主、僧猛が隋国大統、曇遷が昭玄大統、曇延が昭玄統に任命され、全国の僧侶を統制する立場に就きました。

大興善寺は、隋代における仏教復興の中心地として、重要な役割を果たした寺院です。その位置、寺名、住した僧侶、そして僧官の任命など、あらゆる面において、当時の国家と仏教の関係を深く反映しています。

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