大蛇潟金作

大蛇潟金作について

大蛇潟金作（おろちがた きんさく）は、1919年5月20日生まれ、秋田県平鹿町で誕生した大相撲力士です。本名は斎藤金作（さいとう きんさく）で、彼は錦島部屋に所属していました。彼の最高位は1954年1月場所の西前頭筆頭で、現役時代には179cm、120kgの体格を持ち、主に左四つからの寄りを得意としましたが、やや慎重な取り口が影響して、昇進がゆっくりとしたものとなりました。

来歴

金作は17歳の頃、上京して錦島部屋に加入し、1937年1月場所で初めて土俵に立ちます。初めの四股名は「十文字」で、まもなく「矢留石」に改名。1944年1月場所で十両に昇進しますが、その後一時期幕下に落ち込むこともありました。1947年6月場所で再び十両に昇進し、この頃に錦島部屋ゆかりの「大蛇潟」と改名しました。改名後の彼は勢いを増し、1948年5月場所では新入幕を果たします。特に29歳の時の新入幕は異例であり、彼は入門が遅かったことを物語っています。

新入幕の場所では、驚異的なパフォーマンスを見せ、9勝2敗の成績を収め、敢闘賞も獲得しました。しかし翌1948年10月場所で膝を痛め、以降はこの怪我が彼の関取昇進に影響を及ぼしました。それでも1964年1月場所では西前頭筆頭に達するなど、キャリアのクライマックスを迎えましたが、この場所では3勝12敗という結果に終わりました。特筆すべきは1954年3月場所で、横綱・鏡里に勝利を収めたことで、彼にとって生涯唯一の金星を獲得します。この時点で彼はすでに35歳でした。

長いキャリアの中で、彼は真摯な土俵態度を維持し続けました。1957年9月には十両に陥落し、その後休場を経て、1957年11月場所の引退を決断しました。彼は38歳まで力士としてリングに立っており、そのキャリアは長命力士として知られるようになりました。

性格と引退後の人生

金作の性格はとても礼儀正しく、温厚であったと伝えられています。あるエピソードでは、彼の付け人が金銭を盗むという失態を犯したにもかかわらず、金作は怒ることなくその付け人に余剰金を与え、付け人はその後改心したという話があります。これにより彼の人間性がよく表れています。

引退後、彼は年寄・湊を襲名しその後は北陣を名乗りましたが、早い段階で廃業となり、その後は旅館業に転身しました。1986年3月21日、彼は肝臓癌に侵され、東京都千代田区の病院で66歳でこの世を去りました。

主な成績

彼の相撲成績は通算305勝334敗14休で、勝率は.477でした。幕内成績は214勝257敗14休、勝率は.454です。現役在位は57場所、幕内在位は33場所で、敢闘賞を1回（1948年5月場所）獲得していました。特に金星を1個（鏡里戦で獲得）記録したことは、彼のキャリアの重要なハイライトとなっています。

これらの成績を通して、大蛇潟金作は名実ともに力士としての存在感を示し、敬意を表される存在であり続けました。

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