大西玉

大西玉（おおにしたま）

大西玉（1916年 - 1969年）は、日本の宗教家であり、「ほんぶしん」の創始者として知られています。

人物

大西玉は奈良県に生まれました。父は大西愛治郎であり、彼もまた宗教家で「ほんみち」の創始者です。愛治郎は、天理教の教祖である中山みきが『泥海古記』の中で述べた言葉、「ことしから30年たちたならなはたまひめもとのやしきへ」に注目していました。彼は、みきが亡くなった年から30年後に生まれる子供こそが、みきの魂を受け継ぐ存在であると確信し、その子に「玉」と名付けました。

大西玉は、中山みきの生まれ変わりとして「玉姫様」と呼ばれ、父と共に「ほんみち」の教勢拡大に尽力しました。彼女は、1947年から教義の解明に専念するため、信者の家に篭り、研究に没頭しました。その結果、自らが受けた天啓を『天啓御教書』としてまとめました。

1958年に父・愛治郎が亡くなると、大西玉は自身が天啓者「みろく」であると自覚するようになります。1961年には、「ほんみち」の内部に自身の活動拠点として「天理みろく会」を発足させ、独自の教義である『宇宙本体論』を発表しました。1962年、「天理みろく会」は「ほんみち」から独立し、教団名を「ほんぶしん」と改めました。当初、本部は大阪府高石市に置かれていましたが、後に長野県塩尻市、そして岡山県岡山市へと移転しました。1969年、大西玉は岡山市の本部で心筋梗塞により死去しました。

参考文献

井上順孝ほか編「大西玉」『新宗教教団・人物事典』（弘文社、1996年）
島田裕巳監修「ほんみち」『現代にっぽん新宗教百科』（柏書房、2011年）

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