大講堂 (大石寺)

大講堂の概要

大講堂（だいこうどう）は、静岡県富士宮市の大石寺に所在し、正式には法華本門大講堂と呼ばれています。この堂宇は1958年3月、創価学会の第65世法主である日淳の下、当時の会長・戸田城聖の寄進により建立されました。この重要な施設は、広宣流布の模擬試験が行われた日でもあり、当初は内閣総理大臣の岸信介が出席予定でしたが、最終的には安倍晋太郎・洋子夫妻、そして南条徳男・前建設大臣が代理として訪れました。戸田は、日淳からその功績を称賛され、法華講の総講頭に任命されました。

建築と施設内容

大講堂は、建築家の横山公男に設計され、6階建ての構造を持っています。1階には下足室と本山の任務者用詰所が配置され、2階はロビーと談話室として利用されています。3階には702畳の大広間が広がり、さらに4階までの吹き抜け形式になっています。また、僧侶用の教場も整備されています。5階には日蓮正宗の教学研鑽に関する施設があり、6階には貴賓室が設けられています。1981年に宗務院庁舎が新設されるまで、大講堂内には宗務院が存在していました。

行事と本尊の安置

大講堂の大広間では本尊が安置されていますが、仮客殿として利用されていた時期を除き、法要は行われていませんでした。かつては法主による講義やさまざまな団体の会合が行われていましたが、現在では広布坊や客殿において実施されるようになり、大講堂では妙観講の月例御講や一部の指導会、布教講演が主に行われています。特に、2007年以降は特別法要や法主の大導師による唱題行が多く行われ、参加者が多い場合には御影堂や客殿がメイン会場として用いられることが一般的です。

また、非教師僧侶向けの行学講習会や、若手教師僧侶向けの富士学林研究科の講義、全国教師講習会など、多様な教育活動も展開されています。これにより、大講堂は単なる宗教的な施設にとどまらず、学びの場としても重要な役割を果たしています。

本尊に関する信仰

特に興味深いのは、大講堂大広間に安置されている本尊についてです。これは日蓮御直筆の「万年救護本尊」を模刻した常住板本尊で、尊厳な存在感を放っています。本尊の左右には日興と日目の位牌が置かれており、日蓮、日興、日目という三師が信仰のサポートをしているという象徴的な意味も含まれています。

このように、大講堂は宗教的な儀式だけでなく、教育活動や信仰の場としても重要であり、歴史的な背景と現代の宗教活動が交差する場所となっています。

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