大谷玲子

大谷玲子（おおたに れいこ）は、1972年12月20日に大阪府で生まれた日本のヴァイオリニストです。

幼少期よりその音楽的才能を発揮し、3歳という早い時期からヴァイオリンの道を歩み始めました。大阪府にある聖母被昇天学院小学校に入学し、高校を卒業するまでの一貫教育課程で学びました。小学校4年生だった1982年から全日本学生音楽コンクールの大阪大会小学生部門に参加し、初参加で入選。翌1983年には第3位、1984年には第2位と順位を上げ、中学校3年生の1987年には、ついに全国大会の中学生部門で見事な第1位を獲得し、早くからヴァイオリニストとしての将来性を期待されました。この学生時代には、東儀祐二氏に小学生時代に、小栗まち絵氏に中学生時代にと、それぞれ高名な指導者から手ほどきを受けました。

1991年、更なる研鑽を積むため桐朋学園大学へ進学。ここではヴァイオリン教育の大家である江藤俊哉氏と、世界的に活躍した原田幸一郎氏に師事しました。大学在学中の1993年には、日本のクラシック音楽界で最も権威あるコンクールの一つである第62回日本音楽コンクールで第1位に輝き、その実力を不動のものとしました。1995年に同大学を卒業後、研究科に進み、特に室内楽に深く傾倒。この研究科課程を1997年に修了しました。大学卒業と同年の1995年12月には、日本国際音楽コンクールに出場し、第4位に入賞。また、1996年7月には弦楽四重奏団の一員として、サンタ・フェ室内音楽祭やラ・ホヤ室内楽音楽祭など、アメリカ国内の著名な音楽祭にも参加しています。

日本国際音楽コンクールでの審査員との出会いが、その後のキャリアに大きな影響を与えました。特に高名なヴァイオリニスト、イーゴリ・オイストラフ氏との親交を深めることとなります。その縁もあり、1996年には文化庁在外芸術家研修員に選ばれ、オイストラフ氏が教授として迎えられたブリュッセル王立音楽院大学院への留学を実現。氏のもとで高度な音楽表現と技術を磨きました。留学と同年の1996年には、ポーランドで開催された第11回ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリン・コンクールに出場し、1位該当者なしという結果の中、見事第2位入賞という快挙を達成しました。この受賞は国際的な注目を集め、ワルシャワ・フィルハーモニー大ホールという格式高い舞台でのデビュー公演へと繋がりました。ブリュッセル王立音楽院大学院は1998年に卒業しました。

ブリュッセルでの学びを終えた後も、国際的な舞台での活躍は継続しました。1999年にはモーツァルテウム夏期国際音楽アカデミーのモーツァルト協奏曲コンクールで優勝し、世界三大音楽祭の一つとして知られるザルツブルク音楽祭への出演を果たしました。帰国後も精力的に活動を展開。2000年7月には、いずみシンフォニエッタ大阪の記念すべきデビューコンサートに出演。同年9月にはオランダ・ミュージック・セッションの専属アーティストに抜擢され、アムステルダムのコンセルトヘボウ大ホールという名門のホールで、世界的指揮者フィリップ・アントルモン氏が率いるオランダ室内管弦楽団との共演を実現させ、国内外でその存在感を強く示しました。また、2001年からは、 internationally recognized サイトウ・キネン・フェスティバル松本にも継続的に参加し、著名な音楽家たちとの共演を重ねています。

室内楽への情熱も深く、2002年にはピアニストの佐藤美香氏、ヴィオリストの安藤裕子氏、チェリストの林裕氏と共に弦楽四重奏団「Opus 1（オーパス・ワン）」を結成。意欲的な演奏活動を行っています。また、出身地である大阪での功績も高く評価されており、2002年には関西音楽クリティッククラブ奨励賞、大阪市の咲くやこの花賞、そしてABC音楽財団からのABC音楽賞クリスタル賞を立て続けに受賞するという栄誉に浴しました。

現在も活発な演奏活動を展開する傍ら、次世代の音楽家育成にも尽力しています。2004年4月からは、京都市立芸術大学および相愛大学において非常勤講師として教鞭を執り、後進の指導に情熱を注いでいます。彼女の演奏活動は、コジマ・コンサートマネージメントとの専属契約のもと、幅広く展開されています。2008年6月には、ヴァイオリニストにとって重要なレパートリーであり、深い解釈が求められるイザイの無伴奏ヴァイオリンソナタ全6曲を収録した初のソロCDアルバムをナミ・レコードからリリースし、その成熟した演奏は高い評価を得ています。国内外での演奏活動、室内楽、教育活動と多岐にわたり、ヴァイオリニストとして着実にキャリアを積み重ねています。

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