ブリュッセル王立音楽院

ブリュッセル王立音楽院（Conservatoire royal de Bruxelles）は、ベルギーの首都ブリュッセルに位置する名門音楽大学です。1813年の創立以来、音楽と演劇の分野で数多くの才能を輩出してきました。

歴史

音楽院は1813年に設立され、長い歴史の中でベルギーの音楽教育の中心的な役割を果たしてきました。1967年には、言語の違いからフラマン語を使用するKoninklijk Conservatorium Brusselと、フランス語を使用するConservatoire Royal de Bruxellesの2つの組織に分離しました。現在では、それぞれが独立した教育機関として運営されており、教育内容や教授陣、学長も異なります。

校舎

現在の音楽院の校舎は、中庭を囲むように配置された3つの建物で構成されています。この校舎は、建築家ジャン＝ピエール・クリュズナールによって1872年から1876年にかけて建設されました。ネオルネッサンス様式の美しい建築は、ルーヴル美術館のレスコウィングから影響を受けており、その壮麗な外観は見る者を魅了します。特に右翼の建物には豪華なコンサートホールがあり、数々のコンサートが開催されています。

校舎正面の装飾は非常に凝っており、5つのペディメントの彫刻が目を引きます。これらの彫刻は、リエージュの彫刻家Adolphe Fassinによる『器楽曲』、シャルル・ヴァン・デル・スタッペンによる『オーケストレーション』、アントワープの彫刻家Frans Deckersによる『作曲』、フェリックス・ブーレによる『演奏芸術』、そしてトゥルネーの彫刻家Barthélemy Frisonによる『詩作』を表現しています。さらに、花飾りやカリアティード、ヤシの木、楽器などの彫刻が、Georges Houtstont、Paul de Vigne、Antoine-Joseph Van Rasbourgh、Auguste BraekeveltやÉgide Mélotなどの彫刻家たちによって校舎全体に施され、その美しさを際立たせています。

歴代学長

音楽院の発展に貢献した歴代の学長には、以下のような人物がいます。

1833年〜1871年：フランソワ＝ジョゼフ・フェティス
1871年〜1908年：フランソワ＝オーギュスト・ジュヴァール
1908年〜1912年：エドガー・ティネル
1912年〜1925年：レオン・デュボワ
1925年〜1939年：ジョゼフ・ジョンゲン
1939年〜1949年：レオン・ジョンゲン
1949年〜1966年：マルセル・ポート
1966年〜1973年：Camille Schmidt
1973年〜1987年：Eric Feldbusch
1987年〜2002年：Jean Baily
2002年〜現在：フレデリク・ド・ロース

著名な卒業生

ブリュッセル王立音楽院は、数多くの著名な音楽家や俳優を輩出してきました。その中でも特に有名な卒業生としては、以下のような人物が挙げられます。

アドルフ・サックス（サクソフォーン発明者）
イサーク・アルベニス（作曲家）
ジョゼ・ヴァン・ダム（オペラ歌手）
堀米ゆず子（ヴァイオリニスト）
佐藤久成（作曲家）

これらの卒業生は、世界各地で活躍し、音楽界に多大な影響を与えています。

まとめ

ブリュッセル王立音楽院は、長い歴史と伝統を持つベルギーの名門音楽大学です。美しい校舎、優れた教育プログラム、そして数多くの著名な卒業生を輩出してきた実績は、この音楽院の素晴らしさを物語っています。音楽家を目指す人々にとって、ブリュッセル王立音楽院は魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。

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