大越和加

大越和加について

大越和加（おおこし わか）は、1960年生まれの日本の海洋学者です。東北大学大学院農学研究科の教授を務めており、多毛類生態学と生物海洋学を専門としています。また、日本学術会議会員や元日本ベントス学会会長など、学会活動でも重要な役割を担っています。

経歴

宮城県仙台市で生まれた大越和加は、1983年に東北大学農学部水産学科を卒業しました。その後、1988年に東北大学大学院農学研究科水産学専攻博士課程を修了し、農学博士の学位を取得しました。研究者としてのキャリアは、千葉県立中央博物館研究員から始まり、東北大学農学部教務職員、アルバータ大学動物学科客員研究員などを経て、1998年には国際協力事業団の短期専門家としてチリに派遣されました。

2000年には南極地域観測隊員として夏隊に参加し、極地での研究活動を経験しました。その後、2007年に東北大学大学院農学研究科准教授に就任し、2018年には教授に昇任しました。学術界での活動に加え、2008年には福島海区漁業調整委員会委員、2014年には宮城県自然環境保全審議会委員、2016年には仙台市環境審議会委員および宮城県内水面漁場管理委員会委員を歴任するなど、社会的な活動にも積極的に関わっています。

2017年には日本学術会議連携会員に、2019年には日本ベントス学会会長、農林水産省国立研究開発法人審議会委員、福島県水産業振興審議会会長に就任。2022年には日本学術会議会員に選出されるなど、その専門性と知識を社会に広く還元しています。

研究分野

専門は多毛類生態学、生物海洋学であり、特に海洋生物の生態や海洋環境に関する研究に力を注いでいます。南極での観測経験も持ち、その知見を活かした研究活動を展開しています。

著書・監修書

大越和加は、研究活動の傍ら、一般向けの書籍も執筆・監修しています。

著書
『ママ、南極へ行く！』（主婦の友社, 2003年）

編書
『海のブラックバスサキグロタマツメタ : 外来生物の生物学と水産学』（恒星社厚生閣, 2011年）（大越健嗣と共編）

監修
『クジラとイルカ : 海も地球も大研究！』（偕成社, 2009年）（山田格と総監修）
『生命のれきし : はじめて読む'進化'の本』（絵本塾出版, 2019年）
『宇宙のれきし : はじめて読む'太陽系'の本』（絵本塾出版, 2019年）
『人間のれきし : はじめて読む'人類'の本』（絵本塾出版, 2020年）
『気候変動のれきし : はじめて読む'地球を救う方法'の本』（絵本塾出版, 2022年）

これらの著作活動を通じて、研究成果を広く社会に伝え、科学への関心を高めることに貢献しています。

大越和加は、海洋学の研究者としてだけでなく、社会に貢献する人物としても、今後ますますの活躍が期待されています。

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