大連会議

大連会議の概要

大連会議とは、1921年8月26日から1922年4月16日まで、日本と極東共和国（実質はソビエト連邦）との間で行われた国交協議です。この会議は、1917年のロシア十月革命によって途絶えていた両国の外交関係を復活させるきっかけとなりました。特に、日本にとってはロシアとの初めての本格的な外交交渉であり、国際情勢の変化を背景に行われました。

背景

ロシア革命後の1918年8月から始まった日本のシベリア出兵は、ソビエト政権の不安定さとアメリカなどの国外勢力の撤退により強く影響を受けました。1920年初頭には、ソビエト政権が安定を見せる兆しを見せたため、日本においては強硬論が強まり、尼港事件に代表される一連の出来事が発生しました。これらが撤退を難しくし、日本は国際的な非難を受けていました。

一方、極東共和国は1920年3月に設置され、日本との対峙を避ける姿勢を持ちました。この状況下で、極東共和国の代表は日本側にシベリアからの撤退および通商関係樹立のための交渉を要請し、1921年にはウラジオストクで事務級協議が開始されました。

交渉の開始

その後、日本の原敬内閣はワシントン会議におけるシベリア占領についての国際的非難を懸念し、交渉を行う決定をしています。日本側は8つの基本方針を策定し、極東共和国との交渉に臨みました。その中には、共産主義の受け入れを拒否すること、外国人の居住および営業の自由の確保、ウラジオストクの商業港としての開放などが含まれていました。

交渉は1921年8月26日に始まり、松島肇が日本代表として、極東共和国側からはユーリンが参加しました。この会議では、日本軍の早期撤退と国交樹立を目指す極東共和国に対し、日本側は国交樹立には否定的でした。通商関係の維持と撤兵に関しても、尼港事件の解決を交渉の前提とする立場をとります。

意見の相違と交渉の行方

会議の進行中、極東共和国は29項目の協約案を提出し、日本側はそれに基づく17項目の提案を行いましたが、双方の意見には大きな隔たりがありました。特に、日本のシベリア駐留に対する国際的批判が強まる中、極東共和国は強気の姿勢であり、ソビエト連邦からの代表参加も要求しました。このように、交渉は難航し、内部でも意見の対立が生じました。

最終的に、日本側は4月15日に交渉の打ち切りを表明し、翌日には会議が決裂しました。しかし、両国ともに日本軍の撤退を重要視していたため、交渉の再開の余地は残されていたのです。

結論

大連会議は日本と極東共和国の国交を巡る重要な交渉であり、その結果は後の日本・ソビエト連邦の関係に影響を与えました。会議の崩壊は日本の外交政策の難しさを示唆し、後の長春会議へとつながることとなります。

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