大連金州湾国際空港

大連金州湾国際空港は、中国遼寧省大連市金州区に建設が進められている、新たな国際空港です。既存の大連周水子国際空港の代替、または補完を目的としており、中国本土初の本格的な海上空港として注目されています。このプロジェクトは、日本の関西国際空港やアメリカのニューヨーク・ラガーディア空港など、先進的な海上空港の建設技術を参考に、海洋埋め立てによる人工島の造成によって実現されます。

空港の目標と規模

大連金州湾国際空港は、4F規格に準拠した空港として建設が進められており、完成すれば世界最大の旅客機エアバスA380がスムーズに離着陸できる世界最大級の海上空港となることが期待されています。この大規模プロジェクトは、中国の国家交通輸送計画「十二五計画」や、遼寧省沿岸経済ベルト開発計画の重要な一環として位置づけられています。

空港は、長方形の人工島に建設され、その規模は長さ6.54キロメートル、幅3.5キロメートル、面積2087ヘクタールに及びます。埋め立て用の枠は全長21キロメートルに達し、海岸線からの最短距離は4.5キロメートルです。完成時には、中国初の海上空港として、また世界最大の海上国際空港としてその名を知られることになるでしょう。

空港には、計4本の滑走路が計画されており、各滑走路の長さは3,600メートルです。初期段階では、まず2本の滑走路が建設される予定です。初期段階の完成後には、年間3,100万人以上の旅客利用を見込んでおり、全面完成後には年間7,000万人を超える旅客の利用が予測されています。総建設期間は5年とされ、総投資額は263億元と推定されています。

アクセス

新空港へのアクセスは、G201国道（大連～瀋陽間）や国道202号線（大連～丹東間）を通じて可能になります。大連市中心部からは距離がありますが、哈大高速鉄道の大連北駅からは車で15分とアクセスは比較的容易です。既存の大連周水子国際空港には、2015年に地下鉄2号線が開通しましたが、新空港にも地下鉄1号線の延伸計画が進められています。

建設の遅延と課題

大連新空港の計画は2000年に遡ります。2009年9月には、事業計画が大連市政府に承認されましたが、建設開始は2013年となりました。当初、2018年までの開港が予定されていましたが、工事は遅延しており、その理由の一つとして、中央政府の建設許可を得ないまま埋め立て工事が開始されたことによる手続き上の混乱が挙げられます。さらに、海上空港は陸上空港に比べて維持費用が数倍になるという指摘もあり、この点についても国内で批判の声があります。

参照項目

• - 中国の空港の一覧
• - 大連周水子国際空港

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