大都会 (テレビドラマ)

大都会：社会派ドラマからアクション大作へ

1976年から1979年にかけて、日本テレビ系列で放送された『大都会』シリーズは、石原プロモーションが初めて本格的に取り組んだテレビドラマとして知られています。全3シリーズ、132話に及ぶ長編シリーズは、渋谷を舞台に、渡哲也演じる刑事・黒岩頼介を中心に展開されました。

シリーズごとの個性と変遷

最初のシリーズ『大都会 闘いの日々』は、倉本聰氏との共同企画による社会派ドラマでした。暴力団事件をリアルに描く一方、事件記者ドラマやラブストーリーの要素も盛り込まれ、高い評価を得ましたが、視聴率は伸び悩みました。

続く『大都会 PARTII』以降は、倉本氏から独立し、銃撃戦やカーチェイスなどのアクション要素を前面に押し出した作品へと変貌を遂げました。この転換は成功を収め、『太陽にほえろ！』『熱中時代』などとともに、日本テレビを代表する人気シリーズの仲間入りを果たします。エンディングテーマの導入や、主演俳優による主題歌歌唱は、後の『西部警察』などにも継承されました。

音楽面でも特徴があり、バッハやムソルグスキーといったクラシック音楽が劇伴として頻繁に使用されました。特に『PARTIII』では、ムソルグスキーの『展覧会の絵』からの楽曲が印象的に用いられています。

視聴率とシリーズ終了

『PARTIII』放送当時も高い視聴率を維持していた『大都会』シリーズでしたが、日本テレビの内部事情と、石原プロモーションのさらなるスケールアップへの意欲から、シリーズは幕を閉じました。テレビ朝日からの破格の条件提示を受け、石原プロモーションは日本テレビとのドラマ制作から撤退、『西部警察』へとその系譜は受け継がれていきました。

『大都会』の遺産

『大都会』シリーズは、放送枠の後継番組にも影響を与えました。日本テレビ火曜9時枠では、『大追跡』『大激闘マッドポリス'80』など、『大○○』というタイトルの番組が制作され、シリーズの影響力の大きさを示しています。プロデューサーの山口剛氏は、時間枠のタイトル統一を意図した可能性を示唆しています。

再評価とソフト化

長らく再放送が途絶えていた『大都会』シリーズですが、2007年以降、CS放送やBS放送などで再放送が開始され、新たな世代へのアプローチが進められています。石原プロモーション50周年記念プロジェクトの一環として、DVD-BOX化も実現し、動画配信サービスでも視聴可能となりました。これらの取り組みは、作品の再評価、そして新たなファン獲得に繋がっています。

まとめ

『大都会』シリーズは、社会派ドラマからアクション大作へと進化を遂げ、日本のテレビドラマ史に大きな足跡を残しました。その人気と影響力は、後続番組や、現在も続く再放送、ソフト化、配信などを通じて、今もなお色褪せることなく伝えられています。視聴率や時代背景、制作事情なども含め、様々な角度からこの名作シリーズを振り返ってみると、その魅力を改めて感じ取ることができるでしょう。

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