大野京子 (循環器・スポーツ医学者)

大野京子先生は、内科医、医学博士として、また帝京大学の元教授として、医学界に多大な貢献をされました。専門は内科学、循環器学、スポーツ医学と幅広く、特にスポーツ医学分野では、教育者、研究者として顕著な業績を残されています。

東京大学医学部をご卒業後、同大学医学部附属病院第二内科に入局され、助手としてキャリアをスタートされました。その後、静岡県の市立島田市民病院内科医長などを歴任され、臨床医としての経験を積まれました。1989年には帝京大学教授に就任し、文学部および医療技術学部の教員として、生活医学、医療保険事務、医学概論など、多岐にわたる科目を担当されました。教育者としての手腕を発揮され、多くの学生を育成されました。

2007年には、帝京大学医療技術学部にスポーツ医療学科が設置され、初代学科長として、2010年まで学科運営に尽力されました。臨床スポーツ医学、内科系医学、予防医学などを講じられ、生活習慣病の支援や、救急救命士、アスリートの育成に情熱を注がれました。また、在職時には、紀要「帝京大学スポーツ医療研究」を創刊され、スポーツ医学の発展に大きく貢献されました。

研究者としても精力的に活動され、1976年には、「本態性高血圧症における昇圧反応性と血圧上昇の機序」に関する論文で東京大学より博士号を授与されました。また、日本内科学会、日本循環器学会などの学会に所属され、日本医師会認定健康スポーツ医、日本体育協会公認スポーツドクターとしてもご活躍されました。臨床、教育、研究と、多方面で卓越した才能を発揮された医学者でした。

大野京子先生は、医療とスポーツの融合をいち早く提唱された先駆者でもあります。著書や論文を通じて、その知見は広く社会に共有され、現代のスポーツ医学の発展の礎となっています。彼女の情熱と貢献は、今後も医学界に大きな影響を与え続けることでしょう。

主な論文

「帝京大学運動部員に対するスポーツ医学的サポート体制の構築」帝京大学スポーツ医療研究,高尾昌人,村田宜夫ほか,2009
「アフィニティー法を応用した安定型グリコヘモグロビン測定法(VISION GHb)の臨床応用」医学と薬学（第31巻）,鈴木清ほか,1994
「発症・再燃に心因が関与したと思われる多発性硬化症の1例」第18回日本心身医学会中部地方会演題抄録,1987
「本態性高血圧症における昇圧反応性と血圧上昇の機序」日本内科学会雑誌（第66巻）,1977
「高血圧患者における重症度および予後の指標としての血漿レニン活性の意義」日本循環器学会（第36巻）,金子好宏ほか,1972

これらの論文は、大野京子先生の研究業績の一部であり、内科学、循環器学、スポーツ医学における貢献を物語っています。

参考文献

大学案内（在職時）およびシラバス
* 「スポーツ医療学科紀要創刊にあたって」帝京大学スポーツ医療研究創刊号.2009

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