大野俊三 (ジャズトランペッター)

大野俊三：不屈の精神で音楽を奏でるジャズトランペット奏者

大野俊三（おおの しゅんぞう）は、1949年生まれの日本のジャズトランペット奏者、作曲家、編曲家です。彼の音楽人生は、数々の困難を乗り越え、常に進化を続ける姿を示しています。

グラミー賞と国際作曲コンペティション

大野俊三が参加したジャズアルバムは、過去に2度グラミー賞を受賞しています。また、彼が作曲した『Musashi』は、2014年のInternational Songwriting Competitionで日本人として初めて、ジャズ部門からのノミネートとしても初めて、最優秀賞（Grand Prize）を獲得しました。

アメリカでの活動と苦難

1974年、アート・ブレイキーの誘いでアメリカに渡り、マチート&アフロキューバンズの一員として国内外で演奏活動を展開しました。1983年には、彼のソロをフィーチャーしたアルバムがグラミー賞ベスト・ラテン・レコーディングスを受賞。その後、ギル・エヴァンス・オーケストラにも参加し、数々の名盤を生み出しました。

しかし、1988年に交通事故で唇を切り、前歯を折るというトランペッターとして致命的な危機に見舞われます。さらに、1996年には扁桃癌のステージ4と診断され、顔面の一部を切除する手術を受けました。これらの困難を乗り越え、彼は再び楽器を手に取り、演奏活動を再開。カーネギーホールでの公演を成功させるまでに回復しました。この奇跡的な復活劇は、テレビ番組でも紹介され、多くの人々に感動を与えました。

作曲家・編曲家としての才能

大野俊三は、演奏家としてだけでなく、作曲家・編曲家としても高い評価を得ています。映画『ほたるの星』のテーマ曲「Firefly/ほたる」の作曲や、大野えりのアルバムプロデュースなど、幅広い分野で活躍しています。2014年には、International Songwriting Competitionでグランプリを受賞。2015年には、神戸市の委嘱によりメモリアル曲「KOBE」を作曲し、震災20周年特別慰霊イベントで初演されました。2016年には、アルバム「ReNew」がアメリカのジャズアワードで最優秀賞に輝き、彼自身もベスト・トランペッター賞、ベスト・コンポーザー賞に選ばれました。

ライフワーク：学校講演と被災地支援

大野俊三は、音楽活動と並行して、ライフワークとして学校講演や被災地支援を行っています。東日本大震災後には、ニューヨークでチャリティーイベントを開催し、多くの義援金を寄付。また、東北の被災地を100回以上訪問し、小・中・高等学校や避難所などで交流コンサートを行っています。近年では、熊本地震の被災地支援にも取り組んでいます。

ディスコグラフィー

『大野俊三ライブ '94 TAKE OFF!』 （1995年）
SAKURA（2008年）
ALL IN ONE（2011年）
『月の光』 - clair de lune（2014年）
『マンハッタン・ブルー』 - Manhattan Blue（2014年）
『バブルズ』 - Babbles（2015年）
ReNew（2015年）
DREAMER（2017年）

著書

* 希望のトランペット (MEMORIES IN Life) （1999年）

大野俊三の音楽は、困難に立ち向かう勇気と希望を与えてくれます。彼の音楽と活動は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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