大野守衛

大野守衛について

大野守衛（おおの もりえ）は、1879年（明治12年）3月1日に生まれ、1958年（昭和33年）7月18日に没した、日本の外交官、政治家です。神奈川県藤沢市の市長も務めました。

生い立ちと学歴

大野守衛は山口県出身で、1904年（明治37年）に東京帝国大学法科大学法律学科（独法）を卒業しました。大学院では国際法を研究し、法学の知識を深めました。

外交官としてのキャリア

1906年（明治39年）に外務省に入省し、翌年には外交官及領事官試験に合格。外交官としてのキャリアをスタートさせます。領事官補として牛荘やハルビンに勤務した後、1910年（明治43年）には外交官補としてドイツに赴任しました。翌年からは大使館三等書記官として勤務。1914年（大正3年）に第一次世界大戦が勃発すると帰国し、南洋諸島への出張を命じられます。その後、1916年（大正5年）にはイタリア大使館二等書記官に任命され、その後も外務書記官、通商局第二課長などを歴任しました。1920年（大正9年）にはハンブルク総領事に就任し、その後ドイツ大使館参事官を務めました。1926年（大正15年）にはオーストリア駐箚特命全権公使に任命され、国際舞台で活躍しました。

藤沢市長として

1933年（昭和8年）に外交官を退官した後、藤沢町長に就任。1940年（昭和15年）に藤沢市が市制を施行すると、翌1941年（昭和16年）には初代市長に選出されました。1942年（昭和17年）まで市長を務め、市政の発展に尽力しました。しかし、戦後、公職追放の対象となりました。

栄典と著書

大野守衛は、その功績が認められ、1933年（昭和8年）に従三位に叙せられました。1940年（昭和15年）には紀元二千六百年祝典記念章を授与されています。また、著書として『独領南洋諸島事情』（外務省通商局、1915年）があります。

親族

父は造幣局長、会計検査院部長を務めた大野直輔で、彼も錦鶏間祗候でした。岳父に判事の赤井直揉がいます。兄の大野直枝は植物生理学者で、ドイツに留学し研究に励みましたが、若くして亡くなりました。大野直枝の岳父には河上謹一がおり、孫に大野茂男がいます。

まとめ

大野守衛は、外交官として国際的な舞台で活躍し、退官後は藤沢市の発展に貢献した人物です。彼の生涯は、明治から昭和にかけての激動の時代を背景に、国際社会と地方自治の両面で日本の発展に尽くした人物として記憶されるでしょう。

参考資料

人事興信所編『人事興信録 第5版』人事興信所、1918年。
帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第3版』帝国秘密探偵社、1930年。
人事興信所編『人事興信録 第13版（上）』人事興信所、1941年。
総理庁官房監査課編『公職追放に関する覚書該当者名簿』日比谷政経会、1949年。

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