大野木宜幸

大野木 宣幸

大野木宣幸（おおのぎ のぶゆき、1956年1月27日 - 2019年）は、日本を代表する作曲家であり、特にゲームミュージックの分野で活躍しました。静岡県の出身で、千葉大学の工学部を中退後の1980年に株式会社ナムコ（現在のバンダイナムコエンターテインメント）に入社します。最初はプログラムデザイナーとしてスタートしましたが、彼の作曲するシンセサイザーの音楽が評価され、『ラリーX』のハイスコア用BGMとして採用されたことで、サウンド担当に移行しました。

大野木は『ギャラガ』や『マッピー』など、数々のヒットゲームの音楽を手掛け、1985年にはナムコを退社。遠藤雅伸が設立したゲームスタジオに参加し、翌1986年にはデジタル・エンターテイメントを共同で設立し、代表取締役に就任しました。在職中には、G.M.O.レーベルからゲーム音楽アルバムのプロデュースを行い、多くの楽曲のアレンジやエディットも手掛けました。

その後、ゲーム業界から離れ、実家の味噌製造業を継ぐことになりますが、2019年にはコロンバスサークル社のリズムゲームソフト『16ビットリズムランド』に楽曲を提供しました。残念ながら、同年2月に63歳で逝去しました。

来歴とエピソード

大野木のナムコ入社は1980年とされますが、彼は学籍を残したままとなっていたため、翌1981年には千葉大学を中途退学しています。彼の作曲技巧については、遠藤雅伸が高く評価しており、「二度や平行五度が多い」と彼の楽曲に特有の味わいを述べ、「不協和音の使い方が非常に巧み」とも評しています。

また、『ギャラガ』のチャレンジングステージのリザルトBGMには意図的ではない工夫が込められています。バグの偶然で単音がずれて鳴ることで、独特のディレイ効果が得られたのです。大野木自身はこの現象について「単音3つがバグでずれて鳴ってしまった」と語っています。

ジャンルにおいて初期のゲーム音楽作曲家として、後の世代に多大な影響を与えた大野木は、小倉久佳やHiro師匠、小沢純子といった多くの作曲家の継承者とも言える存在です。

代表作と音楽スタイル

大野木が手掛けた作品は幅広く、ナムコ在籍時の代表作には『ラリーX』、続いて『ニューラリーX』や『ギャラガ』、さらに『マッピー』など、数多くのアーケード[[ゲーム]]の音楽があります。ナムコ退社後も『ウィザードリィ』シリーズや『機動戦士Ζガンダム・ホットスクランブル』などの作品に関与し、各作品でその技術を発揮しました。

音楽スタイルとしては、彼のサウンドには、シンセサイザーを用いたメロディが特徴的であり、打ち込み技術を活かしたリズミカルな構成が印象的です。特に彼の音楽は、ゲームのテンポ感や雰囲気を引き立てるように作られており、プレイヤーが没入できる環境を提供します。

結び

大野木宣幸は、ゲーム音楽の歴史において欠かすことのできない存在であり、彼の作り上げた数々の楽曲は、今なお多くの人々に愛され続けています。彼の功績は後の世代の作曲家にも引き継がれ、今後もその影響は色濃く残ることでしょう。

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