大野木浜市

大野木 浜市の野球人生

大野木浜市（おおのぎ はまいち、1916年 - 2004年7月5日）は、日本の著名なアマチュア野球選手であり、高校野球界でその名を馳せました。静岡県浜松市に生まれ、彼の愛した野球は、若き日からの努力と情熱によって育まれました。

幼少期と少年野球

大野木は1929年に浜松市の尋常小学校を卒業し、浜松高等尋常小学校（現在の浜松市立元城小学校）に進学します。この学校は当時、少年野球界の強豪校として名を馳せており、彼はその環境で才能を開花させました。1930年には、第11回全国少年野球優勝大会で優勝投手に輝き、その名声が全国に広がりました。彼のチームメイトには、後にプロ野球選手として活躍する大友一明もいました。

中京商業高校時代

1931年、大野木は中京商業学校に入学します。在学中には甲子園にも5回出場します。特に有名なのは、1933年の夏の選抜大会です。この年の準決勝にて、彼は延長25回に及ぶ試合でサヨナラ打を放ちます。この試合は高校野球史において非常に特異な出来事として記憶されています。また、その年の中京商業は前人未到の3連覇を達成し、吉田正男選手の力投と共に大野木の活躍が光りました。

その後、1933年に行われた第7回明治神宮競技大会野球決勝でも、再び明石中との対戦に挑み、決勝打を打って中京商業の優勝に大きく寄与しました。この試合は3-2で終わり、彼の存在感は更に高まりました。

社会人野球への道

中京商業を卒業した大野木は、1936年から日立鉱山野球部（後の日本鉱業日立硬式野球部）でプレーを開始し、1937年の都市対抗野球にも出場しましたが、初戦ではコロムビア戦で大敗を喫しました。この時期の彼のチームメイトとの交流や競技への情熱は、彼の野球人生における貴重な経験となったことでしょう。

野球への情熱と晩年

大野木の実家は浜松の山下町で米屋を営んでいました。彼の周囲には多くの野球関係者がおり、同じ町内には早稲田大学から満州昭和製鋼所に進んだ桑原喜代男も住んでいました。大野木の後輩である松井栄造は、彼が中京商業に進学することを願っていましたが、最終的には岐阜商業に進学せざるを得ませんでした。こうしたエピソードは、彼の人生の中で周囲との関係がいかに重要であったかを示しています。

2004年7月5日、大野木は肺炎により88歳で亡くなりました。彼は中京商業の延長25回の試合に出場した選手の中で、最後の生存者でした。彼の野球に対する情熱と、数々の記録は、後世に語り継がれることでしょう。

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