大野龍太

大野龍太

大野龍太（おおの りゅうた、1892年11月15日 - 1957年2月6日）は、日本の大蔵官僚であり、大蔵[[次官]]を務めた人物です。

来歴

兵庫県出身の大野は、神戸一中、第一高等学校を経て、1917年7月に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業しました。同年、大蔵省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

1927年2月には、大蔵省特別銀行課長兼蔵相秘書官に就任。その後、蔵相秘書官兼首相秘書官を務めるなど、要職を歴任しました。しかし、特別銀行課長在任中の事柄を巡り、帝人事件に関与したとして訴追され、1934年5月から1937年12月まで休職を余儀なくされました。

帝人事件が検察側の控訴断念により終息したことを受け、1938年6月に理財局長に復帰。翌年1939年1月から1940年7月まで大蔵[[次官]]を務めました。その後、1942年4月から戦時金融金庫副総裁、1944年3月から1945年10月まで同総裁に就任し、戦時下の金融政策に携わりました。

戦後は、1946年から1951年8月まで公職追放の処分を受けました。

人物

大野は、戦前・戦中の激動期において、大蔵省の要職を歴任した官僚でした。帝人事件というスキャンダルに巻き込まれながらも、その能力を高く評価され、要職を任されています。戦時中は、戦時金融金庫の総裁として、金融面から戦争遂行を支えました。戦後は公職追放となりましたが、日本の経済を支えた一人であることは間違いありません。

家族

父の大野輝吉は、神戸西須磨の医師であり、大野家は兵庫県北条町の旧家でした。大野輝吉は、東京大学医学部別科を卒業後、神戸病院を経て神戸市に大野病院を創立しました。

母方の祖父である丹波謙蔵は、蘭方医・丹波元礼の長男であり、西洋雑貨商として財を成し、西大寺鉄道取締役などを務めました。弟に丹波敬三がいます。

妻の明子は、司法大臣を務めた原嘉道の二女です。

長男の大野公男は化学者として北海道大学名誉教授に、次男の大野正男は弁護士、最高裁判所判事として活躍しました。孫の大野英男は物理学者で、東北大学学長を務めています。

大野家は、医学、法曹界、学術界と、多岐にわたる分野で活躍する人材を輩出しています。

栄典

1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

参考文献

『戦前期日本官僚制の制度・組織・人事』（戦前期官僚制研究会編、東京大学出版会、1981年）

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