大門ダム

大門ダムについて

大門ダム（だいもんダム）は、山梨県の北杜市に位置し、富士川水系に流れる大門川に建設された重力式コンクリートダムです。このダムの高さは65.5メートルあり、洪水調節や不特定の利水、上水道、発電といった多様な目的を持った多目的ダムとして、特に地域の水資源管理に貢献しています。ダムによって形成された人造湖の名前は清里湖（きよさとこ）です。

歴史背景

大門川は八ヶ岳を源流とし、清里高原を流れて須玉川に合流する河川であり、その急勾配のため大雨が降るとしばしば水害を引き起こしていました。そこで、山梨県では大門川や須玉川の治水対策として川幅の拡張を検討しましたが、地域の宅地開発が既に進んでいたため、その案は断念されました。代わりに、ダムの建設が選ばれたのです。さらに、リゾート開発が進む地域において、上水道の安定供給が求められたことも、このダム建設を後押しする要因となりました。

ダムの建設工事は1968年4月に開始され、総事業費173億円をかけて1988年3月に完成しました。1998年には、塩川ダムが完成し、両ダムは協力して北杜市や下流の韮崎市の水害抑止に寄与しています。

周辺環境

大門ダムは清里高原を流れる大門川に設置されており、アクセスは中央自動車道・須玉インターチェンジを利用し、国道141号や清里ラインを通ることで可能です。道の駅南きよさとの近くからダムへ向かう道があります。ダムによって生まれた清里湖は、八ヶ岳の美しい自然を背景にした観光スポットとしても知られ、周辺には多くの観光施設が点在しています。

建設地は火山噴出物の堆積した台地であり、ダム湖の右岸側には約4.2ヘクタールのアスファルト舗装が施され、漏水を防ぐための対策が講じられています。この工事は土木学会によって評価され、1986年に技術賞が贈られており、その記念碑はダム右岸の公園に設置されています。

発電と水質問題

ダムの直下には小規模な水力発電設備があり、放流水を用いて発生した電力はダムの運営に役立てられています。大門ダムの完成に伴い、清里高原及びその周辺での水不足の不安が解消されたことは、地域住民にとって大きな福音となりました。しかしながら、地元住民からは上流からの下水流入によって水質が悪化しているとの意見もあり、この点については引き続き注目されるべき課題です。

まとめ

大門ダムは、その洪水調節と上水道供給の役割に加え、観光資源としての価値も持つ重要な施設です。今後も地域の水資源管理や環境保護に貢献し続けることが期待されています。

もう一度検索